想い出のレストラン②色々なレストランに訪れてきましたが、今はなくなってしまったり、充電しているレストランもあり、今は食べることができない、残念なお店が他にもあります。
今回はその中からルパピヨンドパリラボンスポワンドゥデパーの3店です。
ルパピヨンドパリまずはルパピヨンドパリです。
このレストランは、かつてはオランジェリードパリと呼ばれていたこともありました。
場所はハナエモリビル、今はもうこのビルも建て替えのためかつてのビルは残っていません。
1978年創業の老舗レストランでした。
店内には店名にふさわしく、チョウチョのデザインがたくさんありました。
私がはじめて訪れたのが店名が変る前の16年前、初めて訪問したときはディナーで、お任せの料理を頂き寡夫、メインは牛ヒレでしたが、なかなかのものでした。
その後もランチを中心にちょくちょく使っていました。
会食に使うにはちょうど良いレストランでして、適度な広さもあり、ランチのプリフィクスは選べる料理の幅がかなり広く、値段もランチコースの4200円でワゴンデセールも付くコストパフォーマンスの高さもありました。
贅沢サラ人参のポタージュ牛ヒレのソテーの赤ワインソース牛頬肉の煮込み鴨のローストのオレンジソース鴨のローストのアピシウスソースワゴンデセールブルーベリーのタルトコンポートとバニラアイスクリームクレープシュゼット料理は見事なまでに完全なクラシックの世界でした。
今時出すお店はめったにないくらいの料理が揃っていましたね。
鴨のローストのオレンジソースや鴨のローストのソースアピシウス、牛ヒレのソテーの赤ワインソース、オマール海老のソースアメリケーヌなどが普通にメニューに並んでいました。
目新しさはありませんが、安定感と安心感のある料理で、まさに良い意味で教科書に出てくるようなフランス料理でした。
デセールもウフアラネージュやタルトなど、しっかりした古典的なものを得意としていましたし、クレープシュゼットも見事でした。
グランメゾン的な雰囲気がありましたが、グランメゾンほど緊張感があるタイプではなく、バランスが良かったですねえ。
サービスもしっかりしていました。
タイミングよく、会話もウィットに富み、非常に楽しませてもらえるタイプのサービスでした。
ビルの建て替えの必然があったとはいえ、なくなってしまったのが残念なレストランです。
ラボンス料理をリクエストして、自分なりのコースを作り上げる楽しさを最初に味わったのが池袋にあったラボンスでした。
2000年の秋ごろの開店早々に訪問して長い間通い続けました。
最初に訪問した時に食べた料理がジビエで、その料理が実に印象的でした。
オーナーシェフは豊田シェフで、シェフはいわゆるクラブミストラルの世代でした。
今のフランス料理界をにぎわせる若手よりは上の世代になります。
いわゆるヌーベルキュイジーヌの波にもさらされていますが、クラシックをしっかりと修行しているシェフでした。
鰻のマトロートオマール海老のババロア白子とアン肝のサラ秋刀魚のテリーヌ和牛ミンチのパイ包み仔羊のローストミルフィーユフルーツのスープ料理はプリフィクスが基本でした。
コストパフォーマンスが高く、ごく普通の素材を手の込んだ料理に昇華させ、リーズナブルに楽しめる料理が多かったです。
オードブルに魚と野菜、メインは肉料理を得意としている印象がありました。
定番としてはオマール海老のババロア、秋刀魚のテリーヌ、鰻のマトロート、和牛ミンチ肉とフォアグラのパイ包み焼きが定評がありましたし、す。
またデセールはレストランならではのアシェットデセールが充実していました。
料理全体としてクラシックの色彩が強く、しっかりした料理が多く見られました。
私にとってこのレストランの魅力はまた別のところにありました。
レストランと仲良くなることの面白さです。
様々な注文、シェフに対してメニューにない料理を注文する楽しみ、自分好みの料理を色々とシェフと相談して、色々と作ってもらう楽しみ。
これはもうレストランとそれなりのお付き合いがあって始めて成立する遊び方でした。
シェフと色々と料理のお話をして、自分の好みの料理の話をして、それなりの注文ができるようになったら楽しいものです。
これもまた、レストランの楽しみ方のひとつでした。
そして作って頂いたクラシックな料理の数々は、大変魅力的なものでした。
様々な料理をたっぷりと楽しませてもらいました。
ボンファム、デュグレレ、ロッシーニ、ディアブル、テルミドール、ヴェッシーなど、良い経験をさせてもらったと思いました。
クラシックな料理の数々舌平目のボンファムオマール海老のテルミドール平目のブレゼ、アメリケーヌソーススズキのデュグレレ豚足のガレット鶏のディアブルブレス鶏のヴェッシー包み牛ヒレのロッシーニ鴨のオレンジソースイシシのタルト青首鴨のポトフ青首鴨のローストジビエのサラトリュフのクレームブリュレパイナップルのスフレグラッセチョコレートパフェタルトタタンただ最後の方は残念ながらサービスに恵まれませんでした。
それで足が遠のいてしまいまして、気がつけば閉店してしまいました。
ユニークな内装も含めて、実に良いレストランでした。
いつかまたシェフの料理が食べられる機会があることを切望しています。
ポワンドゥデパー滅多に行かない街ですが、六本木のお気に入りのレストランがポワンドゥデパーでした。
近隣に実力派のお店が集まる中にあっても、決して損食することないお店でした。
ミッドタウンをすぐ間近に仰ぎ見る位置にある、地下にある小さなレストラン。
クリームイエローを基調とした簡素でありながら明るく落ち着いた雰囲気のこじんまりとしたレストランは、シェフとマムのご夫婦でされている素敵なお店でした。
修行僧のようなシェフと笑顔の素敵なマムはまさに理想的な名コンビ。
マムのファンでお店に通い続けているお客さんも多勢いましたねえ。
牡蛎のジュレトマトムースオマール海老のラヴィオリ海の幸のスープ舌平目のパイ包み焼きエイのココット仔羊の岩塩包み焼き素晴らしい料理が数多くありました。
料理はシェフのこだわりが随所に見られる、細部まで考えられた、素晴らしい料理でした。
トマトのムースのストレートに味わえるトマトの美味しさ。
海の幸のスープはそれぞれ季節の魚で濃厚豊潤に楽しめる素晴らしさ。
舌平目のパイ包み焼きのサクサクしたパイの素晴らしさとソースの濃厚さ。
帆立や海老をラビオリにしたときに添えられるこれまた素晴らしいソースと素材の持ち味をストレートに引き出す凄さ。
仔羊の岩塩包みも素晴らしい味わいでした。
1人で全てを行っているレストランとは思えないほど、手間のかかる料理が多く、その代表格たるやジビエ料理でした。
全体的に料理のプレゼンテーションはシンプルな傾向がありますが、中身の充実度は申し分なかったですねえ。
チョコレートパフェ栗のパフェガトーマルジョレーヌブドウのソルベとジュレそしてデセール、これも素晴らしいものがありました。
秋の時季に季節限定で登場する栗のスフレはフワフワ感と栗の風味が素晴らしい逸品ですし、それぞれの季節にそれぞれの季節の素材、あるいはチョコレートなどを使って登場するパフェも申し分ありません。
クラシックなお菓子も素晴らしいものがありました。
ジュレやソルベといったさっぱりしたデセールも素材の持ち味を存分に引き出しながら仕上げています。
そしてその料理を支えるマムのサービス。
滅多にフロアに登場しないシェフに代わり、一手に料理の説明を引き受け、お客様に対応している立ち居振る舞いは、実に素敵でした。
笑顔の優しさ、会話の押しと引きのテンポのよさ、記憶力の良さ、必要に応じたサービスのメリハリの判断力の高さ、1人でフロアを切り盛りする場合のサービスのお手本のようなものでした。
そんな素晴らしいレストランが、テナントとして入ってた建物の都合で現在閉店してしまっているのが残念でなりません。
またどこかで復活してほしいものです。
いずれも、今となっては想い出になってしまっているレストランです。
いつかまた想い出でなく、こんなこともありましたねと、それぞれのシェフやマムとお店で料理を食べながら、昔話ができると嬉しいです。
