今の時期、毎年物凄い仕事が忙しくなるのだが、
おととしはその女性と急接近していて、公私ともに充実していた記憶がある。
最近は仕事中ずっとその2年前の想い出に浸かりっぱなしだ。
去年はどうやってこの時期を乗り切ったっけ。
もうすぐ僕の誕生日、32になる。
おととし。
仕事に疲れきっていた僕は、
その女性のメールを返さなかった。
いつもどれだけ遅くなっても必ず返信していた僕。
その女性はとても心配していたそうで、
仕事の先輩に相談していたそうだ。
「返事がないんです。事故にでも会ったんでしょうか。」
「一週間待って連絡なかったら、もう一度連絡してみたら。それから考えよう。」
こんなやり取りをしたらしい。
一週間後、僕の体を心配したメールが届いた。それは僕の誕生日の五日前くらいだったか。
次の日、僕は、異状なしのメールを返すと、
その女性は、とても安心したそうだ。若干怒られた。嬉しかった。
「あまり、働きすぎると体壊しますよ。誕生日はお休みですか?」
その年、僕の誕生日は土曜で
「うーん。特にすることもないし、出勤するよ。彼女いないしねー。」
「誕生日くらい休んだ方がいいですよ・・・」
そんなやり取りをして、誕生日を一日仕事で終えた僕は、月曜日に急きょ休みをもらえることとなった。
日曜の夜、僕はその女性に
「月曜、急に休みになった。飯いこっか。」
「そうなんですか!良かったです!男は少々強引なくらいがいいですよ。仕事ダッシュで終わらせますね!」
なんて可愛らしいメールなんでしょ。たまんない。
月曜、パスタを食べに行った。
その女性は、僕に誕生日プレゼントを買ってくれていた。
思いがけないサプライズに動揺した。
プレゼントは携帯のキーホルダー。
ブランド物だったがぬいぐるみのキーホルダーで、携帯に負けないくらいの大きさがある。
携帯には何も付けない主義の僕。
「恥ずかし過ぎるやろ、これは。」
「じゃー付けなくていいですよ。」
口を尖らせて拗ねる女性。困る僕。
当然、付けました。
この時、僕はこのまま幸せになれるんだと勘違いした。
幸せの一瞬。
胸が締め付けられる。
有頂天からの転落。
あまり経験したくない複雑な心境だ。
昨日のことのように鮮明に思い出せる。
だけど、もう2年も前の話。
僕の時間は止まったまま、後ろを向いてる。
こんな僕に未来なんてあるのか。