お久しぶりですが、皆様いかがお過ごしでしょうか・・・・・
PCに埃があぶるほどほっちっちで(笑)申し訳なく。
実生活がバタバタしていた・・・というのが言い訳にもなりますか。
本人は老体にムチ打ちながらも元気にしていますよ~~。
我が家のババ様に手がかかるお年頃になりまして。なれないやり取りに脳内が逃避行しておりました。
しかし、GWも終わり長い休みは世間でも終わり。
そろそろ頭くらいは動かさねば、いけないよね?という事でPCを開いた次第でございます。
連載も皆様内容忘れたよね?という程に放置・・・・面目ない。
当人も、多分読み返さないとダメかも~~
暫くはアイドリングで慣らしていかねば・・・と言いつつ、それって毎回言ってるよね?と石を投げられそうですが、頑張りますので、懲りずに遊びにお立ち寄りいただけたら嬉しいです。
さて、拙宅のブログ。初めて書いたのが2015年3月21日でした。
そう考えると、約9年もいじくりまわしているのですが(笑)
もう既に暗黙の了解となっておりますが改めて・・・・・
拙宅の物語設定ですが、なるべくあちらの国の様式を調べて沿う様に努力をしておりますが、行事やそれに伴うそれぞれ・・・
日本の様式を取り入れる物も多く存在いたします。(検索に力尽きたな(笑)と思ってください)
日韓ミックスやん・・・と広~~いお心で受け止めて頂けたら幸いです。
そしてウンスとヨンの誕生日ですが、こちらも手前勝手ながら、ウンスは5月19日とヨンは6月21日とさせてくださいね。まあ、使うことも少ないとは思いますが(笑)
他の方々とは違う日にちとなりますので、ご了承くださいませ。
「泡沫の夢」
※これはウンスが100年前の世界に行ってしまった頃の風景
住まいのすぐ裏手の森の中。
ウンスは一本の木の前で、その姿を見つめていた。
樹齢はどのくらいになるのかな?
どっしりと根を張る木から伸びる長い蔦が、周りの木々に巻き付きながらその姿を大きく見せている。
その枝先には・・・・・
あった。
小さな房。
藤の花だ。
私はその日から、今日という日を待ちわびていた・・・・
桜が散り、少し暖かさを頬に感じる頃、それは見ごろを迎える。
きっとあの枝ぶりからして、満開の頃は圧巻な風景を見せてくれるだろう。
ウンスはワクワクしながら、その花の元へと繰り出した。
うわぁっ・・・・凄いっ!
想像よりも青みの深い紫のグラデーションに染まった藤の花。
大きな房状に、まるで枝垂桜の様に天上高くから地面に向かって幾重にも花を咲かせているその姿は圧巻だった。
この時代、これほどまでに美しい花であっても、気に留める酔狂な人などいない。
生活の糧にもならないその花を、ただ美しいと見上げる人がいるならば、それは食うに困らぬ高貴な輩か、私のような変わり者だけだろう。
そのせいか、その手つかずの大木は、見事なまでの枝ぶりだった。
ウンスは吸い寄せられるように地面に寝転がり、その様子を眺めた。
風に揺られ大きな房が右に左にと揺らされる様はまるで海の波のようであり、どこか遠くから波の音まで聞こえてきそうだ。
茉莉花を思わせるような甘く爽やかな香りが辺り一面に広がる。
花の香りに酔ったのか、その美しさが心を惑わすのか。
一番会いたいと願うあの人の姿が、ウンスの眼に浮かんでくる。
あの日、風に揺れていた額あてを縛っていたリボン。
悪戯な風に巻き上がった、迂達赤ブルーの衣の裾。
乱れた前髪から覗く黒曜石の瞳。そしてはにかむ笑顔・・・・・
花を囲い守る様に生い茂る新葉にすら嫉妬してしまいそうになる。
枝先に伸びる新蔓が誰に絡みつくことも出来ずに、頼りなげに揺れる様ですら、あの人に触れることの出来ない自分に重なって苦しい。
そんな感傷的な自分に少しだけ笑った。
ああ、あなたに会いたい・・・・・
恋焦がれるこの思いを抱いた今宵は、きっと眠ることが出来ないだろう。
ウンスは藤波を見つめ、そしてゆっくりと目を閉じる。
全身に纏う様に深く香りを感じながら、泡沫の夢の中へと身を委ねた・・・・・