女性の裁判官が口を開く。

『あなたには黙秘権という権利がありますので、この裁判の中で言いたくないことや話したくないことは話さなくてもいいです。また、同じようにあなたの言いたいことは発言することもできますので、その際は弁護人を通じて発言してかまいません。

ただし、この裁判の中で発言されたことはすべて事件の証拠となりますので、その所をよくわかっておいてください。』

 

 

起訴されている事件に対しての認否。

 

検事が調書を読み上げる。『被告人と、○○、○○は、他人の親族になりますまし、、、』

 

裁判官『この内容にあやまりはありませんか?』

 

『はい、間違いありません。』

 

弟は裁判が行われている間終始、目に涙を浮かべていた。

 

 



 

まだ、追起訴される予定のものや次の裁判の予定などを話し合い閉廷。

 

次回は約1か月半後。

証人尋問・論告求刑が行われる。

終わりではないけれどようやく一区切りつきそうだ。

 

 

あとは、なるようにしかならない。

弟は裁判の間ずっと、目に涙をためながら一体何を思い涙を流したのだろうか。

 

 

とかいう私も、終始泣いていた。

私の涙は、弟がかわいそうでならない自分勝手な涙。

自分の涙の分だけ、被害者を思った。

 

 

弟もきっと、涙の分だけ被害者を思っているだろう。