最近ちょろちょろと最高裁判決が出ています。似たような判例が短期間にチョロチョロと小出しにでるのは紛らわしいったらありゃしない、です。これらをちゃんとみておかないと過払金返還訴訟の中で攻め込まれることになるのでつらいところです。だんだん複雑で難しい訴訟類型になってきているのかもしれませんね。


平成21年07月10日

期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を否定した最高裁判所の判決以前に貸金業者が同特約の下で制限超過部分を受領したことのみを理由に,当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益者」と推定することはできない

平成21年07月14日

期限の利益喪失特約の下での利息制限法所定の制限を超える利息の支払の任意性を否定した最高裁判所の判決以前に貸金業者が同特約の下で制限超過部分を受領したことのみを理由に,当該貸金業者を民法704条の「悪意の受益者」と推定することはできない

平成21年09月04日

貸金業者が借主に貸金の支払を請求し借主から弁済を受ける行為が不法行為を構成する場合


平成21年09月04日

いわゆる過払金充当合意を含む基本契約に基づく金銭消費貸借の借主が利息制限法所定の制限を超える利息の支払を継続したことにより過払金が発生した場合でも,民法704条前段所定の利息は過払金発生時から発生する

平成21年09月11日

貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとされた事例


平成21年09月11日

貸金業者において,特約に基づき借主が期限の利益を喪失した旨主張することが,信義則に反し許されないとした原審の判断に違法があるとされた事例

おまとめローンというのを電車の車内広告やらCMやらでよく見かけます。


「あちこちの消費者金融から高い金利で借りているままでは借金が減らないのでうちの銀行の低い金利の借入れ1本にしてしまいましょう」ということが書いてあります。


私がよく見かけるのは東京スター銀行の広告です。

金利は5.8~14.8%だそうです。


で、手順としては、消費者金融の残高を計算して、その金額を銀行が最長7年ローンで貸し付ける、ということのようです。


しかし、以下の問題点があるのです。

(1)消費者金融の年利18%の借金が年利14.8%になっても借金苦からは逃れられません。14.8%ってことは、200万の借金がある人なら年間29万6000円も利息を払うんです。かなり大変です。

(2)消費者金融に対しては、利息制限法での弾き直し計算をしたら過払い金があったり、減額されたりする場合がほとんどですが、そういう相談は銀行は受けないと明言しています。

   こんな感じ↓

「おまとめの対象となる消費者ローンの金利が、利息制限法の上限を上回っていた場合は、お借入先から過払い金が返還されるケースがあります。詳しくは、お近くの消費生活センター、弁護士会、司法書士会等にご相談ください。」(東京スター銀行のウェブサイトから引用)

つまり、若干金利が下がるだけで、本来ないはずの借金を今度は銀行に返すことになるんです。

弁護士に相談に行けば、すでに説明した東京三弁護士会の統一基準に従って処理されるので、全然違う結果になります。

(1)弁護士に依頼したら、将来利息は払わないですむ。←おまとめローンなら銀行に利息を払わなきゃならない。

(2)必ずすべての業者について利息制限法での引き直し計算をするので、借金残高が一気に減る。←おまとめローンではこの計算はやってくれないので、違法な金利を払い続けることに。

(3)3年程度で払えないときは破産・個人再生の手続を選択できる。←銀行は裁判所の手続はやってくれないし、最長7年も返済生活が続く。

東京スター銀行を例にとりましたが、どの銀行であっても、おまとめローンに手を出しても問題解決の手法としてはかなりダメダメですよ。誰が見たって、ほぼすべてのケースで圧倒的に、おまとめローンより、弁護士の債務整理の方が総返済額は少なくなるんですから。←不幸にして高額な報酬をぼったくる弁護士に依頼しちゃった場合は別ですけどね。

ひょっとしたら銀行の相談窓口で「弁護士に頼んだ方が圧倒的に負担は少ないですよ」と言ってくれる良心的なところもあるかもしれませんけれど、まるでおまとめローンが借金軽減の最善策であるかのように勧誘されたんなら、弁護士に相談してください。債務整理をやり直すと同時に、その銀行も訴えてやらないといけないかもしれないのですから。

「えっ、おれ、おまとめローン、もう始めちゃったよ」という方!

今からでも一度私に相談してみてください。

(相談料は無料です!)

内縁の妻には原則として相続権はありません。


でも、遺族年金(遺族厚生年金)はもらえます。一度、下記の書類を持って近所の社会保険事務所に行って「裁定請求書」フォームに記入し、提出してください。

○ 亡くなった人の戸籍謄本

○ 亡くなった人の住民票(除票)

○ 亡くなった人の死亡診断書

○ 内縁の妻の戸籍謄本

○ 内縁の妻の住民票(亡くなった当時の住所がわかるもの)

○ 内縁の妻の年金手帳

○ 生計が一緒だったという証明になる出入金の記録

○ 一緒に住んでいたことがわかる年賀状など


裁定請求書は、グーグルで、「遺族給付裁定請求書」で検索すればPDFでフォームが手に入りますが、書き方が難しいので、窓口で職員に指示を受けながら記入することをおすすめします。

必要書類は、厳密には、「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」(昭和61年4月30日 庁保険発第29号)で決められています。いろんなケースで必要書類が場合分けして決められているので、詳しくは厚労省ウェブサイトで通知検索して本文を見てみてくださいね。でも、見方は難しいので、挫折したら相談にきてください。

http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/index.html


社会保険事務所に聞いてみました。すると、以下の答えが返ってきました。


○ 通常の遺族年金だと2か月半くらいで決定できるが、すでに本妻が遺族年金を受け取っている場合は6か月くらいみてほしい。

○ 書類が全部そろった時点で、管轄の社会保険事務所に送付し、受け取った社会保険事務所が審査を始める。事務処理は年金裁定センターが行うが、決定は管轄の社会保険事務所長が行う。

○ 生前、ものすごくたくさん給料をもらっていた人でも、月62万円の給料を超えると年金保険料は頭打ちだから、年金給付もたいした金額にはならない。


まあ、6か月も待たされたら通常の感覚なら相当期間を過ぎるので、私は不作為の違法確認+義務付け訴訟を提起しちゃおうと思ってます!年金は生活の糧ですからね。一日でも早く支給してもらわないといけない類のものです。

先日、四谷にある弁護士会のクレサラ相談センターの担当日が回ってきました。


神田と錦糸町のクレサラ相談は何度も担当していたのだけれど、四谷に行くのは10年ぶりくらいで、間違えて法テラスに行ってしまいました。存在をすっかり忘れてしまっていて…。


行ってみたら相談者が本当に多く、3時間の相談時間で4人の相談を次々とこなす羽目になりました。


無料ですから、どんどん利用したらいいですよね。

債務整理を引き受ける場合、着手金をもらうタイミングが実は難しかったりします。

着手金というのは、初回の相談をして、事件を受任する際に、まず振り込んでもらうお金のはずなのですが、過払金の場合は、回収額の何%という形で報酬をもらうので、過払金が多く見込めそうなときは、私の場合は、1社当たりいくらという着手金をもらわないですませることが多いのです。


過払金が全然ないときは、1社あたり21000円の着手金だけで終わりになっちゃうので、利息制限法引直し計算をせっせとやってゴリゴリと交渉をやると労力的には赤字になりますが、過払金が多くあれば、その分をなんとか補えるというわけですね。


もらいすぎてもいけないし、安すぎてもこっちが疲弊してしまってよくない。全体としてほどよい報酬額になるよう、柔軟にディスカウントをして調整しているんです。


で、「今回は、過払金が多くなりそうだから、たくさん回収できたなら、着手金はもらわなくてもいいですよ」という話をした場合、着手金はもらわないのですが、「過払金が実際には少なかったときには21000円だけはくださいね」という話をしたりもするわけです。でも、過払金が多いか少ないかは、引直し計算をしてみないとわからないんですよね…。


で、タイミングがむずかしい、というお話でした。



民事裁判を利用する人(訴える側=原告)は、裁判所に訴える金額に応じた訴え提起手数料を支払います。


たとえば、10万円の支払を求める訴訟なら、1000円、100万円の訴訟なら1万円、1000万円の訴訟なら5万円の収入印紙を訴状に貼り付けて提出します。


それと、訴状を相手方(被告)に送るためなんかに郵便を使うわけですが、これは国の負担じゃなくて、訴える人があらかじめ多めに切手で予納します。東京地裁だと6400円分、東京簡裁だと6000円の切手を要求されます。


というわけで、これがけっこうな負担なんですね。10万円取りっぱぐれて金がないから裁判やるって人に、更に1000円の収入印紙と、6000円の切手を出せってんですから。


で、本当に貧乏な人にはそりゃーきついでしょ、ということで、民事訴訟法に「訴訟上の救助」という制度があります(82条)。

「必要な費用を支払う資力がない者又はその支払いにより生活に著しい支障を生ずる者」、つまり貧乏ということなのですが、貧乏で、勝訴の見込みがないとはいえない(「勝訴の見込みがある」とまでいえなくてもいいんです)なら、この印紙と切手の支払が免除されちゃうという素晴らしい制度です。


それなら、本当にお金がなくて自己破産を申し立てたい、という人についても、裁判所に納める印紙と切手を免除してもらう制度はないのかなあと思って調べてみたんですが、不思議なことに、これがないんですよね。


個人の自己破産申立ては、以下の費用がかかります。

収入印紙 1500円

切手 4000円

官報公告費用 10290円


ダンナからお金がもらえずに困っているという離婚の相談なんかも受けたりしますが、離婚調停の申立てについても、貧乏でも免除される制度はないんです。トータル2000円くらいですけどね。


ただし、法テラスを利用すれば、そういう実費も含めた弁護士費用を立て替えてくれるので、貧乏だから破産できない、というようなことは起きないです。


私のところに相談に来た方でも、お金がない場合は、私が法テラスの契約弁護士として、法テラスの援助申込をしていますので、お金がなくても大丈夫です。

借金をたくさん残して夫が死んでしまった、というような場合、相続放棄や限定承認をすることになります。


昔は、借金の請求がきたら、慌てて相続放棄の手続をする、というだけで良かったのかもしれませんけれど、今はまずその貸金業者との関係で過払金がないかをまずは確認する必要があります。


過払金があるときは、過払金額と、残債務とを合算して、プラスの財産が残るかどうかを見極めないといけないわけですね。


でも、注意しないといけないのは、「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」は、単純承認をしたとみなされることです(民法921条)。


弁護士が債務整理をするときは、受任したら、受任通知を送って、取引履歴が来たら利息制限法引直し計算をして、過払があったらすぐに取り立てます。


しかし、亡くなった人の債務整理の場合は、利息制限法引直し計算をするところまではいいんですけど、その先はやってはいけないわけですね。債権の取立ては処分行為に該当しますから、もし、いつもと同じ流れでうっかり請求書まで貸金業者に送ってしまうと、相続放棄や限定承認ができなくなってしまいます。


弁護過誤になってしまうわけです。怖いですね。

弁護士に債務整理を依頼すると、基本的にはみんな同じ基準で処理をします。

その柱は…
(1)受任通知と同時に、一番古い借入れからの全部の取引の開示請求
(2)利息制限法に基づく引直し計算
(3)最後の取引(借入れ又は返済)以降の経過利息なし
というものです。

これは、東京の3つの弁護士会で統一処理基準があり、全国的にも、ほぼこれに従って処理されるようになったものです。

ネットでクレサラ処理の東京三会統一基準を検索すると当然に弁護士会のウェブサイトが出てくると思いこんでいたのですが、やってみるとほとんどヒットしないので、弁護士会の会員専用サイトからコピペしたものを下に貼り付けておきます。
ご参考まで。

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○クレジット・サラ金処理の東京三弁護士会統一基準
(施行 平成8年7月24日)
改正 平成12年9月13日



  東京弁護士会
  法律相談センター運営委員会
  第一東京弁護士会
  法律相談センター運営委員会
  第二東京弁護士会
  法律相談センター運営委員会


1 取引経過の開示
   当初の取引よりすべての取引経過の開示を求めること。
   取引経過の開示は、金融監督庁の「事務ガイドライン」にも明記されており、監督官庁から業者に協力の徹底が指導されています。仮に、取引経過の開示協力が不十分な場合、弁済案を提案せず、法律相談センターを通じて、或は、直接に監督官庁(財務局又は都道府県知事)に行政指導を求めてください。 
2 残元本の確定
   利息制限法の利率によって元本充当計算を行い債権額を確定すること。
   確定時は債務者の最終取引日を基準にします。
3 和解案の提示
   和解案の提示にあたっては、それまでの遅延損害金、並びに将来の利息は付けないこと。
   債務者は、すでに今までの支払が不可能となり、弁護士に任意整理を依頼してきたものであり、担当弁護士としては、債務者の生活を点検し、無駄な出費を切り詰めさせて源資を確保し、和解案を提案するものであり、この和解金に、従来・将来の利息・損害金を加算することは弁済計画そのものを困難にさせます。
4 (1)  クレジット会社の立替代金債権額の確定にあたっては、手数料を差し引いた商品代金額を元本として利息制限法所定の利率によって算出された元本額を超えないよう注意すること。
  (2)  貸金債務が債権者と同一系列の保証会社に履行されて求償債権になった場合、保証会社の求償債権額は、本来の貸金債権額まで減額すること。
  (3)  非弁提携弁護士によって和解が成立した事案については、この和解が利息制限法に違反していないかを十分に調査すること。
以上


附 則
この基準は、平成8(1996)年7月24日から施行する。
附 則(改正 平成12年9月13日)
この基準は、平成12(2000)年9月13日から施行する。

弁護士は、「職務上請求書」という特別のフォームを弁護士会から購入しており、これを使って、市役所、区役所等から郵便で取り寄せます。


役所の手数料は、一般と同じで、住民票なら300円くらい、戸籍謄本なら450円くらいですかね。


郵便局の定額小為替を同封して支払うのですが、この発行手数料が高い!1枚100円もするので、困っています。


相続の時には、死亡した後でとる住民票(除票)、最後の戸籍謄本(又は除籍謄本)は普通に依頼者が持ってくることが多いけれど、大抵は、コンピュータ出力された改製後の現在事項証明書なんです。しかし、改製前の手書きの戸籍謄本をまず取り寄せる必要があります。さらに、被相続人は、結婚したときに戸籍が新しくなっているので、結婚前の戸籍をまた遡って取り寄せます。それだけで出生までたどり着ければいいですが、再婚とかがあれば、さらに取り寄せが続きます。


戸籍の見方は簡単そうで意外と難しく、この前は、全部取り寄せ終わったと思っていたら、相続登記の際に、お願いした司法書士さんにまだ2つ足りないと指摘されました。

その人は、亡くなるまでに、十数回も転籍を繰り返していて、一度元の場所に戻ってきたりいろいろややこしいひとでしたが、戸籍の取り寄せをなめちゃいけないと反省しました(笑)。


貸金業者から取引履歴が送られてきたら、どんどん引直し計算を進めていきます。これは弁護士事務所ではもっぱら事務局の仕事。弁護士自身が裁判所行ったり準備書面書いたりしている中でそんな細かい作業までやっていたら睡眠不足になるし、胃に穴が開きますね…。


しかし、これがかなり大変。昭和50年代からずーっと借りてる人なんてのもいるので、1社で膨大な記録になってたりして、しかもたくさんの業者から借りている「多重債務者」だったりすると、いくらやっても終わらない。


で、貸金業者も、こちらの計算結果に難癖を付けてきたりするので、こちらも、立証の都合で微妙に中身の違う引直し計算書を一つの訴訟で何パターンも提出することがあるのです。


「引直し計算は引き受けます」って業者があるけど、こっちでいろいろシミュレーションしたいので外部の業者には任せられないってわけです。

うちの事務員は非常に丁寧に仕事をやる人なので安心ですし…。


良くあるパターン

(1) 推定計算を含めた計算書・含めない計算書

取引履歴全部の開示をしてくれない業者の場合は、こちらの手持ちの領収書や本人の記憶などを手がかりに取引履歴を推認して、計算書を作ります。


でも、和解の話を進めるときには、推定計算を含めたらいくらで、推定計算部分を除外したらいくら、というシミュレーションをやります。複数の計算結果を比べるのです。


(2)取引の断絶があるとき

取引が途中何年もとぎれているときは、一連一体計算(過払金を次の借入れの返済に充当する計算)をすることができない場合があり、一連一体計算をすべきか否かが、しばしば争点になります。

そんなときは、一連一体計算をした計算書と、していない計算書の2つをつくることになります。


(3)ショッピングとキャッシングの取引があるとき

キャッシングの取引で過払になっているけど、ショッピングの残債がある場合は、どこかの時点で過払金をショッピング残債の支払に充当する計算を1行入れるということをやることがあります。その充当の仕方についてもめると、計算書を何とおりも作ることに。


(4)損害賠償をアグレッシブに請求するとき

普通、過払利息は5%ですが、民法704条は、不当利得の悪意の受益者は、利息支払でも償えない損害を与えたときは賠償しろ、というふうに書いてあります。

多重債務者は、過払金という不当利得を返してもらえなかったために他の貸金業者から27%とか、かなりの高金利で借りていることが多いです。そうすると、100万円の過払金を返してもらえないために、依頼者がほかから100万円調達して、利息を27万円払ってたりするわけですね。そこで、105万円を返してもらうんじゃなくて、「100万円を返したうえで、27万円を賠償しろ」と主張するわけです。


この主張は、法律そのまんまの主張なので、簡単に認められても良さそうなもんなのに、なぜか裁判所ではなかなか認めてもらえません。引直し計算書では、過払利息の利率欄に「18%」(利息制限法に基づいた利率)と入れて作って提出すると、「原告さんは、次回までに過払利息の利率を5%に直した計算書も出して下さい」といわれてしまうんです。



そんなわけで、私のやってる訴訟では、計算書がたくさん提出されることが多いんです。