心の病気全般についていえることですが、PTSDの治療は、「治してもらう」「治してあげる」という性質のものではありません。トラウマの記憶は消しさることは不可能で、一生心に残るからです。しかし、その記憶に悩まされることを減らし、患者さん自身が新たな自分を育み、社会生活ができるようにしていくことが、治療の意味であり、目標です。そのためには、患者さん本人と、家族や友人、治療者とが「協調」して治療に取り組むことが不可能です。マラソンにたとえると、患者さんがランナー、治療者はコーチ役、家族・友人はサポート役ということになります。
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診断の結果で、症状が一過性のものと診断されたり、遺族の悲嘆でもそれが成城の範囲と判断されるケースもあります。そういう場合でも、気分の落ち込みや疲労が悪化しないように、周囲の人の支えが必要です。いずれにせよ、専門家を受診する際はできるだけ家族や友人など周囲の人が付き添っていくのが理想です。正しい診断には患者さん本人だけでなく、周囲の人からの情報が役立ちますし、患者さんに対するサポートの仕方もアドバイスしてもらえます。
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PTSDは原因も症状も、心理的な要素です。形となって表に出るものはないので、診断のための検査は、基本的に心理検査です。脳や身体の検査は、ほかの病気が疑われ、鑑別診断が必要とされる場合は別として、行わないのが原則です。日本でPTSD症状の評価に使われている心理検査は、主に構造化面接の「CAPS」と、自記式質問紙検査の「IES-R」の2種類です。
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