拝啓
蛙様
私は猫です
でもあんたは蛙でしょ
ところが本当は
ただの石でしょ
いっくら石でも
そんな猫背じゃ
背骨も出るわさ
余計なお世話だと思いますが
御宅の床
ボロボロですよ
特に蛙様の居るあたりが
低くなっている様で
御座います
こう言うのもなんですが
蛙様は
一年中ずーっと
同じ処を見ていますね
猿ヶ京の爺さんが
尋ねて来る筈も
無いのにさ
敬具
拝啓
蛙様
私は猫です
でもあんたは蛙でしょ
ところが本当は
ただの石でしょ
黒い丸印は
目でしょ
でも実は
ただのペンキでしょ
緑っぽい色の石だから
蛙に見えたんでしょ
しかも土ぼこりが付いたから
本物に見えたんでしょ
ペンキが剥げて
まるで涙目じゃごぜいませんか?
あんたを彫った
猿ヶ京の爺さんが
死んじまったのかい
敬具
赤いポストの
空っぽの風は
何よりの便りのような
何も無い便り
共同浴場の煙突は
寒々と
突き出た壁に
エルボーアームの
君の頬杖
チヂレ電線
糸電話
返却レバーは
何も返らず
あの角を曲がる時
一度だけ振り向いて
通り過ぎた街の景色を
眺めてみてはくれないか…
キツツキ穴から
シッポを出したり
ノゾキ見したり
何で開けたの
こんな穴
きっとネズミがやってきて
この穴通るに決まってる
とりいそぎ
眠って待ちます
ホトトギス
ひとしきり
眠って待ったれ
キトトギス
昼間から
眠ってラットー
ピョピョピョピュピュ












