かつて流行語大賞にも選ばれた「負け犬」
エッセイスト酒井順子さんの造語で、その定義は
「三十代、未婚、子なし」
というものでした。
今では普通に使われる言葉となりましたが、当時はその言葉に衝撃を受けた様々な立場の人たちがテレビや雑誌で、負け犬論を展開していたようです。
さて、今更ですが、ぱんだも「負け犬」について少し考えてみました。
テレビで負け犬有名人たちが喧々諤々と論争を繰り返していた頃・・・
ぱんだは「なんか違う・・・」
と、感じておりました。
作者の酒井さんの意図が全然伝わっていないのでは・・・?
ことに、
「私は負け犬じゃない」とか、
「人生の勝ち負けは結婚で決まるわけじゃない」とか、
「勝ち犬だからって、幸せだとは限らない」とか、
目くじら立てて主張している皆さんのご意見はよーくわかりました。
でも・・・
「読んでないでしょ? 酒井さんの『負け犬の遠吠え』」
と思ったものです。
以下、ぱんだの解釈ですが・・・
酒井さんは負け犬であることを卑下しているわけではありません。
負け犬を貶めているわけでもありません。
むしろ逆です。
ただ、日本において結婚はするのが常識。
なので三十代で未婚というのは、世間がうるさいわけです。
世間というより、自分の身近な人々ですね。
両親だったり親戚だったり友達だったり。
「どうして結婚しないの? いいわよー、結婚って」
なんてことを、学生時代の友人や会社の同僚から言われたりするわけです。
そういうときいちいち対抗していたのでは面倒くさい。
未婚女性には未婚女性なりの理由があるわけです。
が、仕事ととか遊びとかそういったことを理由に対抗しても、既婚の相手には理解できないわけです。
子持ち女は「子育てって大変」といいながらも、負け犬よりずっと幸せーって信じ込んでいるわけですから・・・
そこで・・・
酒井さんは考えました。
いっそ、負け犬ってことでお腹を見せちゃえーって。
「わたし負け犬だからー」
と言っている人間にたいして、追い討ちはかけられません。
たいていの心ある人は未婚既婚にかかわらず、
「そんなことないよー」
と言ってくれるはずです。そして根掘り葉掘り、結婚関係の質問をしてこなくなる・・・と。
人は自分にないものをうらやましがるものですが、結婚に限ってはそうでもない。
負け犬は結婚さえできればいいとは思ってないですし・・・
実は、
「わたし負け犬だからー」
の後には、こんな言葉が続きます。
わたし負け犬だから、夏はボラボラ島にでも行ってこよー。
わたし負け犬だから、クリスマスはパリで過ごしちゃおーかなー。
わたし負け犬だから、海老さま見に歌舞伎、歌舞伎ー。
わたし負け犬だから、アロマテラピー習っちゃうことにしたー。
わたし負け犬だから、今夜はフレンチ食べたーい。
わたし負け犬だから、うっかりダイヤのピアス衝動買いしちゃったー。だってかわいかったんだもーん。
わたし負け犬だから、・・・etc.
という感じでしょうか。
もっとも、負け犬にもいろいろいるので、すべてがこうだとは限りませんが・・・
一人暮らしは生活がかかってるし、将来のことも少しは考えねば。
それでも、勝ち犬よりも可処分所得は高く、自由になる時間は多いはず。
超勝ち犬のお金持ちマダムは例外ですけどね。
近年、セレブな勝ち犬がマスコミでクローズアップされているのは少子化対策でしょうか?
結婚したからってセレブになれる確率はそう高くないと思うので、やはり例外ですね、たぶん。
まぁ、そういうわけで、自称負け犬はけっこうしたたかだということで・・・
自分で「負け犬」と言っている女は本当に自分が「負け犬」だとは思っていないはず。
なので「負け犬」「勝ち犬」の言葉のイメージだけで目くじらをたてるのは、作者の意図に反しているとぱんだは考えるわけです。
実はぱんだ、便利に使わせていただいてます。
この言葉(^o^)