たぶん去年の今日とか、今頃だと思う。
「おーぅ、犬の散歩にでも行かないか?」
と声をかけにきたaさんに、私はにべもなく断ったんだ。
部屋で寝っ転がっていて今やってることを中断したくなかったことやメンドクサさから、
「えー今?雨も降りそうだしよそうよ」と。
雨が降りそうだなんて理由はこじつけで、単に面倒だったから散歩の誘いに耳もかさなかった。
二度とaさんと一緒に歩けなくなる日が迫っているとも知らなかった。
よく行くスーパーが改装により一時閉店とのことでセールをしていた。そこでユリの切り花をいつもより多く買い、aさんと犬の祭壇に供えた。
でも本当はこんなことじゃなくて、もっと生きてる時に欲しいものや食べたいものをケチらずに差し出しておけば良かった。
いま花なんか供えても、それは私の罪悪感を埋めたい私のためでしかないという気がする。