先日、宮本浩次縦横無尽コンサアトの東京公演に行ってきた。

私がお邪魔したのは2days公演の2日目、バレンタインデー。私は朝からソワソワしていた。

別にバレンタインなんて恋人の居ない私には縁遠いイベントだが、心の底からお慕いしている宮本さんに逢えると思うと、周囲に漂う甘い雰囲気も相乗効果で浮かれない方が無理な話だ。


私はこの日の公演以外に、12月の静岡と1月に開催されたエレファントカシマシの新春ライブに足を運んでいた。

静岡は初宮本浩次だった事もあり、公演中どんな反応をしたらいいのか戸惑いつつも、少しでも舞台上の彼等に私の"楽しい"と思ってる気持ちが伝わる様に、「最高な時間をありがとう」という感謝の気持ちが届く様に、全力で腕を振った。

新春ライブの時もそうだ。念願だったエレファントカシマシに逢えた喜びを、その興奮を感じつつ、ソロとは全く違う、あの圧倒される様な体験をこの胸に、記憶に、五臓六腑全てに刻もうと必死に見つめた。

そして今回、3回目のコンサアト。

流石に慣れたかとも思ったが、そう簡単にはいかないらしい。それもそう、言ってしまえば私は好いた男に逢いに行くのだ。柄にもなく日が昇らないうちに勝手に目が覚め、ベッドの中で怠惰を満喫すること無く風呂に入り、何時もは気にしない髪型にまで力を入れた。慣れてないから12回も失敗した。我ながら健気なものだ笑


逸る気持ちを抑えながら学校をやり過ごし、電車に飛び乗って国際フォーラムへと向かった。一定の年齢を過ぎると全力疾走なんて恥ずかしくて中々出来ないが、この日は何にも構わう気持ちにならなかった。

到着するとグッズ販売には長蛇の列。でも苦じゃない。

今日此処に居る人達はみんな私と同じ音楽を愛している人達なんだと思うと、只並んでいるだけなのに楽しくて仕方がなかった。

高校生、エレファントカシマシや宮本浩次の魅力に気付ける人間はそうそう居ない。私の話に耳を傾けてくれる友人は居るが、共感して貰える事は決してない。何時も少しだけ孤独だった。寂しかった。

でも今日は違う。私の愛する音楽の素晴らしさを証明してくれるかの様な人の多さに頬が緩んだ。


無事都道府県キーホルダーを購入してから、暫くその東京キーホルダーの余りの可愛さにふわふわしていた。

薄いピンク色のスケルトンに心が踊る。前日の追加公演でデザインが発表された時から欲しくて欲しくて堪らなかった。

直ぐに開封してスクールバッグに着けていた静岡の隣に装着した。青とピンク、中々似合うじゃないか。


開演までの待ち時間、Twitterで知り合ったエビバデの方と合流して時間を潰した。この人達も宮本さんを好きになっていなければ出会えなかった人達だと思うと感慨深い。

開演30分前になって「じゃあそろそろ、」と言って各々の座席に向かった。

この日私は2階席の後ろから2列目、更に相当左よりという、言ってしまえばちょっと運のない席だった。でも関東圏のチケット倍率の過激さを知っている身としては当たっただけでも相当な幸運だろう。文句など言ってられまい。

待っている間、隣の人に遠慮しながらネクタイを外し、ブレザーとセーターを脱いで例のパーカーを羽織った。2万円以上する、高校生にはかなり痛い代物だが、本人が着ていた等という報告を受けてしまえば買わないテはない。

あれは酷いと思う。ツアー初日の前日にリハーサル報告と称してグッズの売り込みをしれっとするなんて。アミューズは商売上手過ぎてちょっと困る。まんまと罠にハマってしまった、。


空席は殆ど見受けられない。きっと泣く泣くリセールに出された方が多かったのだろう。

私にとってはライブのチケットなんて命にも変え難い位価値のある特別なもので、それを誰かに譲るなんてきっと身を引き裂かれる様な気持ちだろうと思う。それでもコンサアトを開催する彼等の為に、行きたいと願う他のファンの為に手放したエビバデ達には賞賛の拍手と次のコンサアトでいい席が当たる幸運を少しづつ分けたいくらいだ。



18時30分 遂にコンサアトが始まった。

セトリは分かってる。だから今回は泣かないでちゃんとこの目に焼き付けようと決めてた。

でもダメだ、、覚悟してたのに、力入れてたのに、第一声で込み上げてきてしまった。

逢えたことが嬉しくて、あの声に体全身が包まれた瞬間、安堵と幸せで泣いてしまった。


あぁ、やっぱり私はどうしようもなくこの人の事が好きだ。


そう感じた瞬間、この天国の様な空間に全てが溶けていくようだった。

日常の小さな不幸せも、不公平も、苛立ちも、全部風に吹かれた様に綺麗に消えていった様に感じた。

もう大丈夫。私には宮本浩次がついてる。

何があっても私は負けない。

そう思わせる何かが確かにあった。


私は思いっきり手を振る。2階席だから絶対に彼には見えるはずないけど、それでも振る。

手拍子もする。成る可く響くように。

拳も突き上げる。出来るだけ高く。

気持ちよくコンサアトをして欲しい。

東京での公演は楽しかったと思って欲しい。

舞台の上の彼等と一緒に、心ゆくまで音楽を楽しみたい。

そして明日からもドーンと生きて行く。


また逢えた時誇れるように、その時迄胸を張って私は私を頑張りたい、そう思わせる最高のコンサアトだった。