あと 9キロという思い
まだ 9キロも あるという思い
ダムを 目指す
速度がだんだん 落ちてくる
呼吸が乱れる 速度ではないのに どんどん呼吸が苦しくなる
追い越す車の 助手席の窓から
「お母さ~ん」
と 笑顔で娘が手を 振って追い越した
お隣の家の 大学生のお姉さんの車に乗っていた
だけど 後で聞くと 娘とお隣のお姉さん 沿道にいて手を振ってたそうだけど
気が付かなくて 車で追い越したらしい
どれだけ いっぱいいっぱいなんだ私
ダムまで5キロが 遠い
脚が痛い 呼吸が苦しい 胃が痛い
苦しくて歩きだす
後悔したくない 自分に負けない
と また歩き出す
の繰り返し
走るのと歩くのが 弱い私と 頑張りたい私の インターバルのようだった
足が思うように前に進まない
必死に腕を振って 前に進む
これが100キロなら ゴールできないだろう・・
やっとダム
ダムの手前の上りは 歩いて行った
ダムの下に立つ
止まって上を見上げた
下見に来たときとは 違って見えた
86キロ(?)走ってきて 見上げる 温井ダムは どうしてこんなに 雄大で美しいのだろう
去年もそう思った
ため息が出るくらい 美しかった
顔を真上にあげて 見上げる 右から左まで 見渡した
もっと眺めていたいけれど 進まなくちゃ