アトピー性皮膚炎の原因や誘因を見つけ出すことはそう簡単ではありません。というのも、アトピー性皮膚炎にはアレルギーが関係していますが、一般にいわれているアレルギー疾患とは起こり方が違うからです。
アレルギー反応には1~4までの型があり、ふつう、アレルギーという場合にはその中の1型反応をさします。1型反応とは、即時型ともいわれる反応で、アレルギーの原因となる物質が体内に入ってきて、15分~30分以内くらいで起こり、一般にはジンマ疹様の症状が出ます。
1型反応は血液検査をすると、IgEが多くなっているので、どんな物質に対してIgE抗体が多くなっているかを調べると、原因を突き止めることができます。ところが、アトピー性皮膚炎には1型のほかに4型(遅延型)の反応がかかわっており、さらにほかの型もかかわっているのではないかと考えられています。1型以外の反応はIgE抗体だけでは原因がわかりません。残念ながらアトピー性皮膚炎は、血液検査のみでぱっと原因を突き止めるというわけにはいかないのです。
まさに「アトピー」=「奇妙な」の名前のとおりです。