誰でもかどうかは知らない

 

だが、たぶん

多くの人が人生で何度かはそれに似た感じを

もったことがあるのではないか?

 

光の先端のような感覚

自分の前に障害物はない

自分の思うようにできると

 

大谷翔平や藤井聡太もそうだろう

彼らはまだ若いのに謙虚で知性豊かで

人格もなかなかのもんだと、いつも唸らされるが

 

その野球や将棋以前に

彼らは全能感の中にいると思うのだ

 

彼らに奢りがあるわけではなく

野球の神、将棋の神、あるいは、それをも司る大元の神の前に

敬虔な信徒であると同時に

 

からだの芯から恐れを知らない

無尽蔵のエネルギーが湧き上がってくることを

実感しているのではないだろうか

 

肉体的にも、精神的にも、持てる時間的にも

明治時代の日本のように坂の上の雲を見ている

 

つまり全能感とは

希望の光に包まれ、恐れの感覚がないという状態でもある

 

彼らの類い稀な天才が

それを可能にしているのだが

 

やがて挫折や敗北や人生の不測の事故や障害で

いつか人生が下降線に転じることがあるかも知れないが、今はそれはいい

 

全能感とは希望が希望に留まらず

一つ一つ現実となっていく過程で味わえる最高の高揚感だ

 

ロケットが轟音と共に打ち上げられ

あれよあれよと大気圏に向かって雲間に消える

驚愕のスピード感だ

 

様々な業界や誰も知らない市井にも

全能感の中にある隠れたヒーローはいるのだろう

 

時代を未来へ動かしていく希少な推進力

純度の高いエネルギーによる夢のパワーだ