こんばんは、常世黄泉です☪*
ちょっと久しぶりのブログ……。


大好きな大好きなイラストレーターさん、こて1 さんのイラスト本「LAST JOURNEY」が発売されました!


コミティアにて販売されていて、私は通販で購入させていただきました。まさかのラスト1冊で、ギッリギリの滑り込みセーフ……!ヒヤヒヤした……😱

今回はそんな「LAST JOURNEY」の感想記事です♪
⚠️伏せているところもありますが、結構ネタバレしておりますのでご注意を⚠️

作者様のこちらの記事を踏まえて書いておりますので、ぜひこちらを読んでから本記事をお読みください。



とても素敵なイラストを描いていらっしゃいますので、要チェックですよ!
こて1さんTwitterアカウント▶ https://twitter.com/050_37458?t=-D1MDa6uj0bU7zs1Hfa3PQ&s=09


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今回の構成は、ページごとに
①事前知識なく絵を見た第一印象の感想、解釈
②上記記事を読んでから再度絵を見たときの感想
③好き好き性癖ポイント
を並べて書いていきます!
そのため、①と②で矛盾が生まれることもありますが、悪しからず……。
⚠️以降全て私個人の解釈です!捏造が含まれていたり、間違っている場合があります⚠️


準備はよろしいですか?


それでは、旅を始めましょう。



3ページ

①少女を囲む、あたたかそうなうさぎのぬいぐるみたち。少女の方へ手を伸ばすうさぎたちは、彼女をまもってあげようとしているのかも。
でも少女の目元に居座る隈が彼女の眠れぬ夜を物語る。祈るように組まれた指先は冷たい。苦しい寝返りを打てば、足先がガチャリとランドセルにぶち当たるだろう。
あたたかいベッドのなかにさえ、侵入してくる現実。おちおち夢も見ていられない。

②夢なんて見られない、地続きの現実。ああまた今日が始まった、始まっちゃったなと呟くことさえ許されない。
ほんものの私が一体“どれ”なのか、ひとりでいると分からなくなる。
鈍く流れる時間。でも決して止まってはくれない。

③うさぎさんかわいすぎる。目を伏せた右下側のうさぎさんがお気に入りです。
豪奢なベッドや広がった髪の毛の「いいとこの子」っぽさにキュッとなる……。


4ページ

①1枚目と同じ少女。先ほどよりも大人びた表情を浮かべている。
微かに香る、しずかなあきらめ。だぶついたシャツは誰かに着せられたのだろうか。人形のようなからだにヒビが入って血が流れ出す。
確かに生きている彼女の身体は、少女でい続けることを許さない。

②「着せられたみたい」という感覚は彼女が「操り人形」だったからか、と納得。それでもこの子は人間であって人形ではないから、傷つくし、血が出てしまう。なのに演じるのが上手すぎて、自分さえ騙してきてしまったのね。
わずかな指先の震えに気付かないふりをする。

③隈の表現、目元の表現が好きすぎるーっ!!毛束からバラけた後れ毛が、彼女も気が付かない「限界」を感じさせていているのに唇を噛んだ。


5ページ

①学校という社会に向かうには、ちょっとした不安は付き物かもしれない。心配そうに見つめるともだちのシャツをぎゅうぅと掴んだ幼い手が痛い。
赤い椿の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「謙虚な美徳」らしい。
静かな愛がそこにある。

②黒髪の少女、せんすのなんとも言えない表情は、銀髪の少女、ひかると触れて仮面が剥がれかけた故か。
お互いへの依存。

③椿の描き込みがすごい。奥の方へと誘う背景が素晴らしい。
せんすちゃんの上等そうなお洋服への印象が記事を読む前と読んだ後とでだいぶ変わった。


6ページ

①拒絶。叫ぶくらいの衝動で片付けられはしないほどの。
痛む場所を手で覆い、しかし目を背けることはしない。噛み殺した言葉は決して消えずに彼女の内に溜まっていく。
今はまだ言えないけれど。
忘れるな。彼女には牙があるのだ。

②言葉にならない感情のもどかしさ。この子にもきっと枷はあって、もしそれがせんすの存在だとしたら、と考えてしまった。
真っ直ぐでいながら揺れる瞳。

③最初に見たときガッと引き込まれたのはこの瞳。強くて弱くて、真っ直ぐで微かに揺れている。強すぎる感情が絵に乗って滑り落ちる。絵の中に閉じ込めておけないほどの、怪物。
……いや好き……。


7ページ

①だれにも渡したくない守りたいものは抱きしめておくに限る。
木々の隙間から差し込んだ光が少女のあどけない顔を照らす。先ほど拒絶的な瞳を向けていたとは思えないおだやかさだ。
椿には「罪を犯す女」なんて花言葉もあるらしい。

②絆された怪物と人形。近くなっては遠くなって、それでもふたりそばにいる。
ふたりの間に確かに存在する壁が、溝があるからこそ、ふたりは一緒にいられるのかもしれない。

③5ページと打って変わっておだやかな表情を浮かべているひかるちゃん。ふたりきりの時間を感じさせるあたたかさがめっちゃ好き。


5ページと7ページの絵は対になっている。
①あたたかな情景のなかに混じった拭えない不安感。シャツを掴んでも抱きしめていてもこぼれ落ちてしまいそうなもの。
②ふたりの揺らぎが歩調を合わせ、ほんの一瞬だけ歪に立ち上がったさまを見た。


──向かう先は暗くても、あなたがいれば大丈夫。怖くても、繋ぐ手があるのだから。
……もしも、朝起きてあなたがいなくなっていたら。そんなことを考えると、また眠れなくなっちゃうんだけど。


9ページ

①元気で明るい雰囲気を持った黒髪の少女。セーラー服の上から羽織ったパーカーが彼女の感じを出している。
自分の持っている芯を曲げられないで苦労したこともあるんじゃないだろうか。
時折揺れる彼女の陰りに、はたと気がついた。

②感情をあらわすときは言葉に乗せるよりも行動に出すタイプなのかな?それもごく稀に、分かりづらいかたちで。
風に吹かれて踊る髪をそのままにしているのが苦しい。

③セーラーの上から羽織ったパーカーが本当に好きです。
微笑みともニヤつきとも喜びとも自嘲とも取れるような口もとのゆるみに感動。


10ページ

①落ち着いたおとなしそうな雰囲気の少女。ミルクティー色の柔らかな髪にバッテンにしたヘアピンを刺している。
だれも知らないのだけれど、本当に強いのはこの子だ。どこまでも、どこまでも、あの子のためなら飛べるでしょ。

②この子は本当は弱かったんだ。だけど強くならざるを得なかった。
あの子のためなら、と思っていたのに連れて行ってはくれなかった。だから忘れられないんだ。あの子のことを、今でも。

③バッテンのヘアピン見たとき天才だと思いました……!持ち上がったセーラーの裾が愛おしい。


①9ページと10ページの少女たちは夕焼けのような赤に包まれて、見つめあっている。けれども、果たして彼女たちの見つめる方向は同じなのだろうか。撫でる傷は同じかたちをしているだろうか。
②9、10ページのイラストが同じ時間ではないのを知ってすごく驚いた。
10ページを見たときに感じた強さは、“置いていかれた”頃よりも大きくなっていたからか。


11ページ

①雪の日。降り積もった雪に並んで飛び込む。仰向けに転がっておしゃべりするには冷たすぎる温度にふたりの温度が溶けていく。
視界をかすめた鮮血は見間違い?できることならなにもかも夢にしてしまいたい。

②理想的な銀世界は紛れもなく夢だった。たったひとりの現実でたったひとりで見た夢。
本当にしたかったのに、できなかったこと。

③ふたりの太ももが好きすぎて一旦そこから進めなくなりました。あの、ほんとに、太ももがいい……。好きです。


12ページ

①少しずつ、けれど急速に。現実は夢を追い越して確かな色を持っていく。あなたにとってそれは何色?何色でもきっと泣いてしまうほど痛いのでしょうけど。
たった1輪の赤い薔薇。花言葉は「あなたしかいない」。

②あなたはひとりで飛べちゃったけど、私にはあなたしかいなかったよ。

③少し骨ばった手。涙が伝い、赤く上気した頬。


13ページ

①蝕まれた夢は赤く染まって、どうやら少女はもう逃げ出せないらしい。どれだけ綺麗にしようとしても、落ちないこれを現実と呼ぶなら。
泣いている少女はどこか笑みをたたえているようにも見える。
でも、これで、終われるよ。

②ここまで付き合わせちゃってごめんね。これでもう、終わりにするから。

③涙のなかの笑顔、微笑みに潜む切なさ。書き表せない感情が、彼女自身が詰まった表情から目をそらせない。


──めでたしめでたし、なんて言葉で終われない夢物語。振りほどけなくなるのが怖くて繋がなかった手を、ちょっとだけ恋しく思った。


15ページ

①地雷っぽい雰囲気の女の子。自分で着けたらしいハーネスは緩んでずり落ちている。
不意にこぼれた「はやく帰して」なんて言葉はきっと心からの本音なのだろう。
天使に憧れて羽をつけたって本当に天使になれるわけじゃないけど、ネットも現実世界もみんなみんなニセモノなら、そんな大した違いないよね。

②大人まではいかない高校生だからこその不安定さが現れている。上手くいかない、上手くできない。どうしたらいいか分からない、その不器用さ。

③太ももが好きです……。本当に好きなんです……。ニーハイからはみ出てる太ももが1番好きなのですごい嬉しくなっちゃった!


16ページ

①猫耳をつけたメイド服の女の子。長いしっぽはしなやかに伸びている。
1切れのケーキに添えられた「Un Happy birthday」の文字がハートを撃ち抜いて。火をつけたら終わっちゃうから、刺さったロウソクは綺麗なまま。
気まぐれな猫は愛されてるけど、私はどうなんだろ。

②逸らした目線に息が詰まる。「思春期」とかそんな言葉で片付けてほしくない、わたしだけのやみ。

③太ももが!!好きです!!!
重力に従う太もも、好き……。


①15ページと16ページに散りばめられたエラー表示。機械的なプログラムの海に飛び込む出来損ないたちの生傷や涙は辛いから出るのだろうけど、自分自身がそれを信じられないのだから。
解像度の悪い虚像が消えない。
②繋がらないネットに感じる焦燥感。境目がリアルと溶け合う。


17ページ

①甘くて苦い、妖艶な蜜の味。深淵から誘う不躾な欲に全部分かっていて縋る指先。
「本当に?」とでも聞きたげな瞳はご満悦らしい。妖しい光に囚われる。伸ばされる手にも気付かぬ程に。

②縋るにはもろすぎる蜘蛛の糸。最悪の未来だって見えるのに、私はこの手を離せない。


──ちょっと病んじゃった、なんて言葉じゃ足りないのに。わたしの綱渡りがだれかに分かるもんか。
ほんとはわかってほしいのに。


19ページ

①一方通行の愛を受け取ったふりしないだけ、優しいのかもしれない。底知れない瞳がこちらを見ている、と気づいた一瞬、息が止まる。
屈託のない笑顔に含まれた愛にしては、真っ直ぐすぎて暗すぎる、逆光の愛。
まあ、あなたには理解できないでしょうけどね。ふたりだけが理解っていればいいの。

②寄せられた眉根が冷たい。けれども直接的な拒絶を示さないところに彼女の答えがあるのかもしれない。
色素の薄い髪色をした少女、すみれの笑顔にわずかな歪みを見つけてしまったのが悔やまれる。

③構図にどこかで見た戯曲の「サロメ」のイラストを思い出してグッときました。真っ暗闇に浮かんだ純白のハートがすみれちゃんを表しまくっててすごい好き。 


20ページ

①GAME OVER。データは途切れて、続行不可能。セーブデータは消えちゃったのかな。お気に入りのバグが世界を包む。わたしが裂けて、増えて、消えてくみたい。一緒におちてくれる?

②初めてちゃんと私の孤独と向き合ってしまった。ずっとひとりで生きてきたのに。あなたのせいだわ。

③平面的なゲーム機とシュガーループちゃんの立体的な存在感のアンバランスさ。合わせ鏡を覗いたみたい。何番目に悪魔が通る?


21ページ

①こんな無邪気な愛は知らない。誰かのために際限なく尽くすことが愛なんて。
彼女の浮かべる表情は確かに笑顔だけど、目になにか決定的なものが宿っていない。足りないのは常識?当たり前、生気、一体何が足りないのだろう。
掴んだ服は誰のものだっただろうか。今となっては関係の無いことだけど。

②淡々とした証拠隠滅も全ては愛のため。愛があるからちょっと頑張れる。なんて純粋で恐ろしい動機だろう。

③楽に緩めた首元がとても良い。指先が溶けているみたいな色の塗り方もすごく好きです。


23ページ

①表紙絵。「生」の感じのしない、「死」に近しい美しさ。赤らんだ目元が余計に彼女の“浮いた”部分を際立たせる。吸い込まれそうな瞳に手のかたちの深い影を落として。
少女は旅の終わりに語りかける。紛れもない私に。

②幾度となく見たイラスト。見る度に少しずつ違う印象を抱く。彼女もきっと旅をしている。
天使じみた悪魔。

③今回の旅を一番楽しんでいるのは間違いなく彼女。それが本当に彼女らしいなと初めて出会ったのに思ってしまうところ。


24ページ

ゾッとした。ドキッとして、それから。


☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆


ふぅ。

最高の旅路をなぞってきました。いや〜、長くて短くて、刺激的な旅でした。

何回も何回も読み返し、見直して書きましたが、見る時間によって表情を変えたり、自然光と室内灯の下とでは受ける印象が違ったりと本当に味わい深い一冊でした!

広い広い絵のなかで輝くものを拾い集めながら一瞬と永遠の旅をする。
こんな経験、なかなか出来ませんもの……。すごくすごく、力のある本でした。

やっぱり出会えて良かった!!
間違いなく自分の相棒となる本でした。最高。


この本の魅力を少しでも語ることができていたら幸いです。
最後の方太ももの話ばっかりしちゃって申し訳ない……w


こんなに長い記事をここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!

またどこかでお会いしましょうね。
それじゃ、またね*˙︶˙*)ノ"



──深紅の夢を、現を、希望と呼ぶか絶望と呼ぶか。残された猶予なんてあってないようなもの。知らない道を駆け抜けて。

──どうぞ、良い旅を。