何人かの女性ゲストに前菜を頼ませない作戦を成功させた義母。



そうこうするうちにディナーの時間に。



レストランに移動し、席に着く。



人数が少なかった為、一本の長いテーブルが用意されていた。



全員の様子が見れる。



ラッキーなことに義両親と私達夫婦の席はちょっと離れていた。



最初から前菜・メイン・デザートと注文するつもりでいた私たちには好都合。



と思っていたらボス猿(義母)の差し金で、KY(義父)が私達の所にやって来た。



「何を頼むんだ?」



メニューを見ていた私達を後ろから覗き込んで聞いてきた。



「前菜は頼まないだろ?」



義母の腹話術か?



「僕らは頼むよ。父さんも頼めばいいじゃないか。」



ダンナに逆に勧められ、気が動く義父。



ボスと食欲の間で葛藤する。



義母は義母で周りにいる人に一生懸命何を頼むのか聞いている。



さすがのボスでもゲスト全員の食欲とアルコールは止められない。



ふとトロイの弟の方を見ると、ワインのボトルを頼んで奥さんと2人であけ、



2本目のボトルを頼むところだった。



ところで義母は大のアルコール嫌い。



酒豪を見ているだけでも不機嫌になる。



そんな折、義母の真向かいに座っていたトロイの父親が、



空になったビールジョッキをドンとテーブルに置くやいなや、



手を挙げてウェイターを呼ぶ。



「もう一杯!ビール



気分は上々のようだった。



しかし15分と経たないうちに、またドンとビールジョッキを置いてウェイターを呼ぶ。



「もう一杯!」



出費を抑える事が出来ない理由はこれだけじゃない。



凄腕のウェイターだ。



とても話し上手で雰囲気を盛り上げるのが上手い。



私の目の前に座っていた義妹の友人女性が、



「子供がいるのでロールパンか何かあるかしら?」



とウェイターに聞くと、



「もちろん!他の皆さんの席にも少しあった方がいいですよね?」



「あぁ、そうね・・・。」



すぐに全員分のパンが運ばれて来た。



同じように他の人にも、



「メインと合う野菜のサイドディッシュがあるんですが、どうですか?」



と聞いて周っていた。



「そうだな・・・じゃあ頼むか。」



するとまた全員分の野菜の皿が運ばれて来た。



パーティーも終盤に差し掛かった頃には、



「ポートはチェリー、ストロベリー、マンゴーとありますが何がいいですか?」



とトレーに載せて運んできて大声で全員に聞いてきた。



てっきり店のサービスかと思ったら、しっかり請求書に載っているようだった。



気が付くといつの間にかトロイの弟の奥さんが私の隣に座っていて、



ヘベレケになっていた。



「婦人科にいったらさぁ~、子供が欲しかったらもっとHしなさいってさ。」



「ダンナはよっしゃーってガッツポーズよ!」



「で、頑張った結果がこれ!!」



と言って3歳になる自分の娘を指差した汗



こうして義弟になったトロイの家族はデロンデロンに酔っ払っていた。



義母が不機嫌になったのは言うまでもない。



・・・・・・・汗








そういえばトロイの家族、アイリッシュだった。


酒豪家族と義母、どうなるんだ?!







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