世界40ヵ国を旅したなんて言うと

グローバルだと思われがちなのですが

 

私は大人になるまで海外どころか

出身地の京都からも出たことがない人間でした。

 

裕福な家庭で育ったわけでもなく

海外旅行なんて夢のまた夢。

 

そんな私にとって

外国に行くとは宇宙に行くようなほど

遠い話だったんです。

 

 

そして私が今住んでいるスイスは

子供のころから憧れていた国でした。

 

アルプスの少女ハイジの漫画を見ていて

 

あのアルプホルンが鳴り響く

雄大なスイスアルプスを想像しながら

 

白パンってどんなに柔らかいんだろう

こんな山の家で干し草に寝てみたい

 

と子供ながらに思っていました。

 

 

ある日、母にお願いして3000円の登録料で

海外の子供と文通が出来るペンパル協会に登録してもらい

 

スイスの同じ年の女の子を選んで

文通が出来ることになったのです。

 

 

英語どころかローマ字すらも習っていなかった頃

 

ペンパル協会からもらった例文テキストを

組み合わせて手紙を書きました。

 

 

返事が来た時は飛び上がって喜びましたが

 

読解しきるのは難しく

単語一つ一つを辞書で引きながら読んだものです。

 

 

数年後、インターネットの発展で

彼女とのやり取りは手紙からメールになりました。

 

 

英語レベルは全く上達しておらず

相変わらずペンパル協会の例文テキストを使ってました。

 

 

そして二十歳の頃Facebookに登録し

初めて彼女の顔を知りました。

 

 

27歳の時に、2年間の一人旅に出ました。

 

そして生まれて初めて

憧れだったスイスに来たんです。

 

 

20年近くの時を経て

私ははじめてのスイス人の友達に会ったのでした。

 

 

今、私はジュネーブに住んでいますが

彼女も今は子供を持つ母親として隣町ローザンヌにいます。

 

 

私に起こった奇跡的な出会いの一つです。