今振り返ってみると、4年間夢か現実かわからないまま終わってしまった素晴らしい大学生活だった。

 3月も後半に差し掛かろうとしていた。呑気な僕はやっとこさ重い腰をあげ、4月から始まる新生活に向けてアパートを借りるために、田舎から京都に出てきていた。

 車を運転する父親の横で、地元の友達より気が合う友達なんていない。大学では友達もいらない。なんて何故か不貞腐れた気持ちで車に揺られていた。
 
 今でも桜をみると、この時に見た賀茂川沿いの桜並木を思い出す。悲しいような嬉しいような、不安で希望に満ちた気持ち。

 見た景色、出会った人々、学校、全てが愛しく思い出すと苦しくなる、そんな大学生活が始まった。