ウッディアレン監督「人生万歳」
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ロンドンを舞台にした『マッチポイント』以降、毎回欠かさず見ている監督と思ったら、
『ウディ・アレンの夢と犯罪』は見ていなかったことが判明。
それでも、『タロットカード殺人事件』、『それでも恋するバルセロナ』、そして今回の『人生万歳!』
『マッチポイント』は今まで見た映画の中で、間違いなく5本の指に入るゾクゾクする映画。
そのような映画も撮れるし、他の映画のように軽快なハッピーラブストリーも描ける多才な監督。
今回の『人生万歳!』は後者の方。
とはいえ、ダラダラの映画ではなく、ユーモアの中に皮肉の媚薬も少々。
後者は上手くハッピィエンドにまとめるのだが
今回も途中どうなるかと思いきや、上手くまとめてしまう。
※ネタバレなので詳しくは映画を見て下さい
その辺の脚本のフリ、悲劇→喜劇も観客を手玉に取るようで上手いところか?
他にも、主人公ボリスが、カメラに向かって、我々観客に話し始めるシーンがある。
見る側としてストーリーと背景を理解する上で必要な情報を伝えてくれる訳だが、
ナレーションでもなく、直接主人公に話をさせる
主人公のキャラクターを背景とした演出だが、共演者がそれに「突っ込み」をいれ、
あたかも虚言癖のように扱い、それ自体も役柄の一部にしてしまうのも心憎い演出。
観客はスクリーンの前で映像を見るのだが、その幕という名の境界線を曖昧にしてくれるかのように思える。
そんな細かな演出も効き、非常に軽快で楽しめる映画となっている。