ドバイのくねくねビル | 横山武志建築設計事務所blog

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若手建築家のアイデアの素

先日、発表されたドバイのくねくねビル。

正式な名称は、「ダイナミックタワー・ドバイ」
全ての階が自由に回転でき、建物の外観は常に変わるという建物。
80階建ての超高層ビル。最高高さは420m 完成は2010年末

若手建築家 渋谷 設計事務所 住宅


日本ではニューオータニの回転レストランは有名ですが、
それが80層分あるというイメージでしょうか?
回転機構や構造はどうなっているのでしょうか?

ドバイも背後は砂漠であり、砂埃の多い土地柄ですし
可動部分が長期的にメンテナンスし続けられるのか?

構造的にもカタチが自由に変わるとは、
ユニットの持ち出しの長さが違うことであり、
構造的な荷重の設定として、一番条件の悪い設定で計算されることになり
通常の建物よりも負荷が多くなる。

建物のカタチもユニークながら、さらに建設についても通常の方法を取らないとのこと
建物をユニット化して、イタリアの工場で製作し、
現場で組み立てるプレファブ方式。
ここ数年、建設ラッシュのドバイでは、
作業員の確保が問題になっているという。
現場の幹部が自ら、インド等に行き、募集を掛けることまでしている。
その点、現場での作業人員が極力抑えられるプレファブは利点があり
さらに、品質管理上、工場で作業を行うメリットもある。

外観は、写真を見ると、
予め設定されたデザインが幾つかあるように見える。
それぞれの階の回転数から、1日に1回か?1週間に1回?
さらに1年に1回、あるカタチが突如として現れるのでしょうか?

不整合の混沌とした形式のなかに
素数、最小公倍数の組み合わせであるカタチが
突然生まれるのは、かなり面白そうです。

この建物が完成した際には、街の仕掛け時計の前で、
その開始を待ちわびる群衆のごとく
このビルの前で、多くのメディアと観客が、
スペースシャトルの発射を待つような気分で
その一瞬を待つ光景が目に浮かびます

構造と機構は、技術的には可能でしょうから
あとは経済性が成り立つかどうかですね。