
最近この本が気になっていた。
先日、介護ビジネスを行っている知り合いから、新規事業の可能性について
相談されたこともあり、介護の最前線に興味を持っていた。
さらに、ベストセラーのランキングの上位に常に位置しており、
フェミニストの上野氏が「老後」についての語りがどう受けているのか?
気になってもいた。
最近は、忙しく書店に行く暇もなかったが
滋賀出張の帰り道、新幹線の改札内の書店にて
偶然この本を見つけた。
長生きすればするほど、みんな最後はひとりになる。
結婚したひとも、しなかったひとも、最後はひとりになる。
女性はそう覚悟しておいたほうがよい。
はじまりでこのように語りはじめ、上野流の語り口で、
「シングルライフ」「住まい」「交友関係」
「金銭・財産」「介護」「終末」について、
広範なリサーチを交え、ズバズバと、書き進められている。
「読みやすい」なぜベストセラーなのか理解できる。
これから必ず迎えるであろう老齢期の様々な障壁を
「自分だったらどう乗り切るか!」という切り口が明解なことばで綴られる。
ある意味、成功者たる上野氏だから出来ることもあるだろうが、
これからの高齢化社会を考えると、国の政策にベッタリ乗ることは
もはや、不可能であり、介護サービスの支援を受けながらも
基本的には自助及び相互自助でやって行かざるを得ない。
自分としても、この観点は、今後のテーマでもある。
建築・不動産を通じて、そのような自助・相互自助のビジネスモデルが
作れないかと思っている。設計・デザインを通じて、もっと豊かな生活にならないかと!
この本には、様々参考となるようなキーワードが幾つかあった。
・やさしい娘でいられる距離
・家族は拡大もするが、縮小もする
・カネで5つ星の住居は買えるかもしれないが、5つ星のサービスは保証されない
・ライフスタイルが違えば、お互い異文化だ。異文化交流は楽しいか?苦痛か?
・ベッドメイトよりテーブルメイト
・手厚い介護はカネでは買えない
・介護される側にもノウハウがいる
・「看取りたい」は残された者(のみ?)のこだわり
どうしても、介護は提供する側の視点になりがちだが
本来重視すべき、される側からの観点がより重要になるのだろう
しかり、それをどう折り合いをつけるか?
良好なサービスがビジネスモデルとして成立するのは永遠のテーマかもしれない
でもそれに対して、努力を惜しまないのが重要であろう