【妄想小説】KがFになる~序章~ | 横鹿(よこしか) の 世界

横鹿(よこしか) の 世界

本職は薬局勤務の薬剤師ですが
西洋占星術(ホロスコープ)
オラクルカード
「宇宙生命体ぴーちゃん」とともに
スピリチュアルな生き方をばく進中。



とあるビルの
最上階


窓から見える
緑地帯をぼんやり眺めながら
吸いもしない煙管(きせる)を
手で遊ばせ

彼女は
ポツリと言う。






「それで 昨日の売上は?」




真正面ではなく
斜めの位置に控える
美丈夫  ナミオが
声のトーンを
おさえぎみに発声し
答える。



「2500MP (エムピー)です。」






「…そう
    まあまあかしらね。」


満足そうに
ヨコシカは答えた。





「お言葉ですがっ…」

そう
言い出してしまって
彼は
言葉を詰まらせた。





「良いのよ
    今は2人しか居ないのだから
    言いたい事を言って」


そう
にこやかな表情を作って
目線をやった。




それに安堵してか
話し始める。


「顧客の収入・経歴などを鑑みると
    料金の設定が低すぎるのでは?」
「倍は頂いてもおかしくありません。」



ヨコシカ
「ふふっ」
「そうかもね」


目線を再び
外に向け
続ける。



「設定料金を法外に設定しても
    確かに顧客は離れることなく
    払ってくれると思う」


「では?」


「でもね
    それだと 成金が集って(たかって)くるの」



「それは駄目なのですか?」



チラリと
ナミオを一瞥(いちべつ)して


「彼らは この楼(ろう)に来たくて
    来るのではなく
    入れるステイタスが
    欲しいだけ…」


「…それはイケナイ事なのですか?」


「ふふっ」
「イケナくはない…」



「…なら…」




「そのステイタスに振り回されてる様では
    ヤツらに喰われるのよ」




「ヤツらとは…」

ヨコシカが
その声を遮り
ぴーちゃんを手元に呼ぶ。

「その話は また後で」




「っ申し訳御座いません。
     つい…」


ハッとして
ナミオは頭(こうべ)を垂れる。


(あぁ 言い過ぎてしまった…)
(あっ でも これだけは聞かなくては)




「あの この機会に これだけは
    聞いておきたいのです」

「この制服として与えられた
     アンテナの様なカチューシャは
     何なのでしょうか」





「一年間 何も聞かなかったのに
     今 聞くの?」

ニヤリと
したり顔をし

ぴーちゃんとアイコンタクトを
取りながら
さも 当たり前の様に
ヨコシカは答えた。



「それを着けたら 太陽系デスコ とか
    踊ってくれるかなって」





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