ヨーコ先生の超不規則ブログ

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発声法講師であり、ミュージカル俳優でもあるヨーコ先生のつぶやき。アメリカ人と結婚し、現在バイリンガル子育て中。

さて、WICKED実際に観るまでに色々なSNSやユーチューブなどの情報が入ってましたが、主役の二人がガリガリに痩せこけていて「相当ストレスフルな現場だったんじゃないか?」「ハリウッドは二人に何を求めたらあんなにガリガリにさせてしまうんだ?!」とかいう内容以外は殆ど批判という物を聞かない。これは結構期待値アップでした。SNSで批判的な方達はどちらかというと、小説も舞台も、何ならベースネタの「オズの魔法使い」さえ観た事ないまま今回の映画を観たチャレンジャーや、小説は読んでたけど舞台を一度も観たことが無い人とかが多くて、舞台版のWICKEDファンに関してはは肯定的な人が多かった。これ、結構すごくて、ミュージカルファンって厳しいし、映画化を嫌がる人が結構多い。そんなミュージカルファンも肯定的って結構良くない?と思っていたので早く観に行きたかった(実際、娘を学校に送ってから一人ででも観に行ってやろうかと思ったくらい)。

 

そんなこんなでワクワクしながら映画館へ。娘のバレエが直前にあって映画館まで大渋滞で上映時間ジャストに着いたし、6人予定が3人で観るハメになったりで結構ストレスで映画観るぞぉってな準備何もできずに、号泣用ハンカチを忘れてきた事を後悔している間に映画始まってしもた。

 

まだ一回目は娘のトイレに3回付き合わされたこともあって完全に「観た」とは言えなかったけど、観終わった時の感想は「すげー上手く作ってんなー!」でした。

こら、ミュージカルファンは納得するな。と

 

まず、舞台や漫画を映画化する時によく起こる「原作」を無視した演出などがほぼ無かった。これは、作曲家のスティーヴン・シュワルツ(兵士役で出てたしw)を含め、ブロードウェイ版の制作陣が健在で尚且つ映画版の制作も携わっていた事が大きいと思う。作曲家が死んでたら、映画用に雇われた作曲家が付け足ししたり編曲したりした楽曲がオリジナルの音楽性と離れていて微妙に違和感があるんだけど、舞台版の作曲家が映画版の曲を担当したり、色々と口を出せる状態だったのは絶対ラッキーだったと思う。

正直初めて劇中劇の部分を観た時は「なんじゃこの薄っぺらい曲」と思ったけど、確かにこの薄っぺらさがオズの薄っぺらさを表してるし、そこから元のエメラルドシティーの楽曲に戻って来た時に「あ、なるほど、こう繋げるのね」って思ったので、まぁ、意図的な薄っぺらさなんだろうな。と思った。

他で言うと舞台版演出のジョー・マンテロは今回の映画には関わってなかったけど、でも脚本のウィニー・ホルツマンやプロデューサーのマーク・プラットとデイヴィッド・ストーンもいたし、舞台版の意図を今回の映画製作陣に伝えるには申し分ないと思う。舞台の演出と映画の演出って全然違うから、反対にそこの部分は良かったと思う。

 

んでもって、舞台版の制作に関わってなかった今回の映画クルー達が皆、何よりもミュージカルって物を理解していて、更に舞台版のWICKEDに愛を持ってたのも大きい。

監督のジョン・M・チュウは「イン・ザ・ハイツ」の映画もやってたけど、私はあの映画観た時から「あ、監督さんミュージカルに理解あるな」って思って好きだったので、彼で良かったと思う。彼自身もすんごいWICKEDファンだったらしいし。監督のアイデアだったのか、誰のアイデア何だかわからんけど、オープニングの前奏部分、舞台版では羽の生えた猿達が色々と演技してるけど、そこを馬を猛スピードで走らせてるシーン(しかもそこのリズムが馬のギャロップと合うから違和感無し)に使われているし、劇的な部分からちょっとファンタジー調に曲風が変わる部分で滝からカメラが上昇してったらドロシー一行の後ろ姿が見えて、オズの何ともファンタジーな情景が映るって・・・。しかも、舞台版の前奏を映画のイメージと合わせて数小節カットしたり編集して間延びを防いでいたり。。。こんなんちゃんと楽曲の一つ一つを理解してる人やなかったらイメージでけへんて。。。。って最初の十数秒の前奏聴いただけで感極まって「Good News♪」の歌い出しの前でもう号泣してたよ私は(爆)

 

衣装も舞台版のイメージを崩さない様に斬新に作っている部分が多いし、振り付けも良くみたら本当に単純な動き(特にオープニング)が多いのに何故か格好悪さを感じなかったり。。。

 

舞台版の一幕を今回のパート1、二幕を次作のパート2に分けたくらい時間は舞台版より大分伸びてるのにテンポ感は失ってないし、飽きる場所もあんまり無かったと思う。ただ、舞台版を観てない人にとっては、「グリンダの心変わりが早すぎる」とか「展開が早すぎてついていけない」とか意見もあったみたいです。。。。が・・・。舞台版はもっと巻いてますから!!舞台版知ってる人からしたら、良い塩梅で舞台版で説明しきれてなかった部分が説明されてて「あーそうだったのか」感がありますから!!!そらさ、小説版読んだ人からしたら「この部分が説明されてない!」「あの部分が抜かされてる!」とか言いたい事色々あるかもしれんけどさ、そんな部分まで含んだらメッチャ間延びしてテンポ失うし、4パートくらいに分けなあかんくなるやんかい!と。だったらミュージカル版やなくて普通の映画として(というか、TVシリーズ的に)作ったら良いのではないでしょうか。と思うわけですね。あくまでもこれはミュージカル映画なのでテンポ崩れたら興醒めなんですよ・・・。

 

本当に、製作陣の愛情は冒頭数分でキチっと伝わったので、「あ、これは期待できる!」って滑り出しはとっても良かったです。

 
その3に続く。。。。