大坊珈琲店を初めて知ったのは
海外のコーヒードキュメンタリー映像「A FILM ABOUT COFFEE」
その中で「legend」として日本の大坊勝治さんが紹介されていました。
手廻し焙煎機を回し、ネルドリップで一滴一滴丁寧に抽出する姿。
その佇まいと所作に、画面上へ瞬時に惹きつけられてしまいました。
2013年12月、惜しまれながら大坊珈琲店は閉店しました。
大坊珈琲店の店主大坊勝治さんの本
『大坊珈琲店のマニュアル』を読みました。
コーヒーをみせる(魅せる)
大坊さんが珈琲を入れ始めると、
騒がしかった人たちも急に静かになり大坊さんの手元に注目するそうです。
写真を見るだけでも本当に素敵なお姿です。
手焙煎の微妙な心理描写、珈琲店経営の心掛け、
中でもお客様に気を使わせない接客方針は感心しました。
すべて手書きで焙煎を記録しており、数冊に及ぶノートの写真もありました。
38年間変わらないスタイルを取り続け珈琲を出し続けた大坊さん。
今は機械焙煎や中には機械で抽出するお店が多い中、
独自のスタイルを貫き通し、真摯に珈琲に向き合っている様子が伺えました。
無口でクールな印象ですが、とても温かい人柄で熱い精神を持つ珈琲職人。
「喫茶店」文化の中の「珈琲店」の位置付けを先導していたお店でないかと思われます。
大坊珈琲店、行ってみたかったなぁ。
(まだ珈琲が飲めるようになって2年にも満たない者が生意気に呟く)
珈琲好きな人、焙煎をする人、お店を経営したい人、
是非一度読んでもらいたい本です。
世界を魅了した「レジェンド」が残したものが見えてくるはずです。
今後の珈琲生活でも参考にしたい本の1冊です