泉あいさん 、という人をご存じだろうか?
私もアエラの記事とか、自民党ブログ懇談会について
のブログで初めて知った。
病気や離婚、退職など人生の転機をいくつか経て、
経験も無いのに「インターネットをベースにしたジャーナリスト活動」
という独自の情報発信に果敢にチャレンジしている。
ブログの記事を書くので、原稿を書きがてら巡回させていただいたが
なかなかクオリティの高い記事をたくさん載せられていることにいたく感銘。
私たち雑誌記者は、泉さんが取材しているような記者クラブの
恩恵にはまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーったく
与れないどころか、クラブは正当な取材を妨害する悪しき利権集団
であり、ジャーナリズムを侵害する民衆の敵
としか思っていないのである意味立ち位置は同じだが、
(だってさあ。クラブ詰めの記者って、ホントに
自分の頭で考えて取材しないんだよ?
私も霞ヶ関の某クラブに前の会社で出入り
してたけど、ぼーっとタコ部屋に詰めていれば
一日に何度も●省幹部直々にから有り難いニュースの
レクチャーをして下さる。
こっちがテーマとか持って無くても、毎日大臣が会見を
してくださる。しかもその質問の順序は幹事社が決めている(笑)
その代わり、クラブ外のメディアがどんなに立派なテーマを
持ってきても排除に動く。佐野眞一さんが故・小渕首相の
単独インタビューをしたときも、とにかく大変だった
みたいです。特に検察庁とか法務省のクラブはひどいね。
クラブ外の記者には、電話取材さえ認めない。
くだらなさ極まりなし。あたんまに来て、
もう少しで某公共放送の記者とつかみ合いのケンカになりそうに
なったこともアリます (w ))
それでも、駅売りもされているメジャーな週刊誌の記者ということで
とてもやりやすい立場で取材をしていることには変わりない。
でも彼女は、そういった後ろ盾も一切無しで、難しい、
硬派なテーマに単身切り込んでいる。
この「どうしても取材をして記事を書く人になりたい」という
彼女が突き動かされている衝動のようなものから逃げられず、
私も内定が決まっていた外資系の会社から逃亡(笑)して、
手取り15万円の零細業界誌に飛び込んだ。
それから数年間、死にものぐるいでやってきて、
ようやく一般の人が普通に読んでもらえる雑誌に
記事を書けるようなところまで這い上がることが
できた。
しかし、戦って得たはずのこの環境も、ともすれば
それがいかに有り難いことなのか、忘れがちになり
仕事にも手を抜きがちな今日この頃だけに、
泉さんの存在は「もっとがんばらなきゃ!」
という気持ちにさせてくれる。
思うに、マスコミの力は「媒体の認知度」によって決まると
思う。みんなが知っている媒体になればなるほど、
ステイタスは上がる。本当は、我々も含めて既存のマスメディア
が良い意味で泉さんをもっと表舞台で紹介するべきなのでは?
と思う。そして彼女のメディアのステイタスを上げることが
できれば、彼女の取材ももっとしやすくなると思うのだ。
たとえば、戦場ジャーナリストとか、経済ジャーナリスト(あれ?私も
この部類に入るのか?いえいえおこがましくてそんなこといえまへん・・)
のように、専門性の高い外部のジャーナリスト
に原稿を頼むことは、この世界では日常茶飯事だ。
彼女のテーマは、いわゆる既存のメディアが追いかけているものと
ほぼ重なるものが多いのだけど、同じ土俵で同じネタの勝負をするのであれば
残念ながら組織力に負けてしまう場合が往々にしてある。
うまく言えないけれど、大手のマスコミが逆立ちしても
マネのできないような「独自ネタ」を発表できるようになれば
そして、その独自性が既存のメディアですらその存在価値を
認めざるを得ないようなものになるのであれば
彼女のメディアは非常に力を持つモノになると思うのだ。
多分、それが「記事で生計を立てる」ということである。
一度も面識のない方だけど、一度お会いしてお話なんか
をしてみたいなあ、と思わせる方である。年代も同じっぽいし。