香道体験に行ってきました。

広ーい和室に通され、メンバーを見てみると、明らかに外国人とわかる人がひとり。 一見外国人なのに明らかに日本文化に詳しそうで、「武道」とか「禅」とか「道を究める」とかいう言葉が好きそうにお見受けしました…。本人もストイックな感じで、ちょっと近寄りがたいオーラをはなっています。正座姿もスッとしていてとってもキレイ

その日は全部で6個の香炉がまわってきて、そのうち4個の香りを当てるという趣向。 例のストイックな外国人にまわった香炉は、その人がずーっと一人占めしてて、次の人になかなかまわってこない。

その人は2番目だったから、あとに続く十数人もの人が「まだかなー」と思いながら、その動かない香炉を見つめていました。

あまりにも香炉がまわってこないからヒマになっちゃって、あの人フランス人っぽいなあ、あとで国籍聞いてみようかな?と思ったり、アロマテラピー教室みたいだよなあとか思ったり、なんせ待ち時間が長くて時間つぶしが大変

最後に香りの答え合わせがあって、全員の回答表がまわってくるのだけど、その一人占めの人、さぞかし当たりが多いんだろうなと思っていたら、正解はたった一つだけ。あんなに長いこと香り嗅いでたのにと思うと 可笑しくて可笑しくてたまりませんでした。

香道では香りは嗅ぐではなくて「聞く」と表現するのですが、そのときは聞くというよりも、(あまりにも長く)嗅いでいる、といった風情なのでした。 





そして隣の年配の女性は、全問正解し、写真の優美な回答表をごほうびでもらうことになりました。彼女、とっても興奮してて、とっても嬉しそう!  以前、正解したときは 他の人に表をとられちゃったんだって。

そして彼女は嬉しさのあまり、別のグループの回答表も勝手にみて、「あの人が正解してるわ。あそこに座ってる人よ」なんて言い始めました。他の参加者にもまる聞こえ…。





最後に香道の宗家が本日のお題と感想をお話してくれました。

「香道というのは当たったとか、はずれたということを競うものではないんですよ」 「今日、はずれたからといって、つまらない、香道やらないということじゃ困ります」 「それに当たったからいいというものではありません」 「みなさんとご一緒に香りを楽しむものなのです」

宗家がそうお話なさるのを聞いて、参加者一同みんな笑ってたのだけど、隣の年配女性だけは、顔がひきつっていて、笑うどころじゃなかったみたいでした。

今回の香道はそういう雰囲気で とっても面白かったです。和文化講座でのこんなユニークな雰囲気はなかなか味わえるものではないし、今回はちょっと番狂わせな香席でめったにないことだとは思うけど、優美な日本文化の一端を感じることができました。またぜひ参加してみたいです