こんにちは。



金田音楽教室のピアノ講師・金田陽子です。



チェロの鈴木秀美さん、フォルテピアノの小倉貴久子さんのデュオリサイタルに行ってきました。







小倉貴久子さんの使用楽器は、1975年の復元楽器・ヴァルターと、1845年製のシュトライヒャー。



演奏曲目…というか、作曲家の時代にあった楽器(フォルテピアノ)を使用して演奏しました。



ベートーヴェンはヴァルターで演奏し、メンデルスゾーンとシューマンはシュトライヒャーで演奏する…という感じでした。



フォルテピアノに対して、19世紀半ば以降のピアノをモダンピアノと呼びます。





↑ これはフォルテピアノ(シュトライヒャー)。



ヴァルターもシュトライヒャーも音色が違います。



普段、私達が聴いているピアノ(モダンピアノ)の音色とも違います。



フォルテピアノは、柔らかな音色で、優しく響きます。



チェロとの相性が良い楽器です。



チェロとモダンピアノ(現代のピアノ)が一緒に演奏すると、ピアノのほうが響き過ぎたり、主張し過ぎたりすることがありますが、フォルテピアノと一緒だとバランスが良いと感じました。




ピアノの演奏を良く聴きたい人にとっては、フォルテピアノとチェロのデュオは、チェロが勝っている?ように聴こえてしまうかもしれません。



フォルテピアノは強弱はつきますが、全体に音量が抑え気味に聴こえます。



古楽(こがく)好きの私は、フォルテピアノのそういう優しく控えめなところが気に入っています。



チェロの小林秀美(こばやし・ひでみ)さんはバロック・チェロで有名な演奏家です。



チェロの伴奏をしている私は、チェロのほうに目(耳)がいってしまいました。



よく響く深い音色。



チェロは音程が不安定…と言われていますが、美しく演奏をするプロのテクニックに聴き入りました。



おふたりとも素晴らしい演奏でした。



プログラム最後の曲が、シューマン作曲 民謡風の5つの小品 Op.102でした。



私の好きな曲でもあります。(好きな曲はたくさんあるのですが、笑。)



フォルテピアノと一緒の演奏を聴くのは初めて。



今まではチェロとピアノ(モダンピアノ)の演奏しか聴いていなかったので、知っている曲でも新鮮に聴こえました。



このシューマンの曲はロストロポーヴィチ(チェロ)の演奏が好きで何度も聴いていたのです。



18世紀から19世紀前半は、特にピアノが激しく変化した時代なので、その時代のフォルテピアノで演奏すると、作品の雰囲気が損なわれることなく自然に聴こえます。



その時代に戻ったような気持ちになるほど、現代のピアノ(モダンピアノ)とは音色が違います。



個人的には、フォルテピアノ単独の演奏よりチェロなど、他の楽器と一緒の演奏が好きなので、本当に感動しました。






フォルテピアノの演奏はなかなか聴く機会がないかもしれませんが、CDやDVDなどでも良いのでご興味がある方は、1度聴いてみてください。



クラシック音楽も素敵な演奏がたくさんあります。






自分で演奏するのも良いですが、名演奏を聴くのも楽しくて良いですよ!




では、また明日[E:paper]