こんにちは。


金田音楽教室のピアノ講師・金田陽子です。



美しい演奏って何だろう?


しみじみと考えてしまいました。



今日、レッスンに来た小学2年生の生徒さん。


宿題のブルクミュラーの曲を暗譜で表情豊かに弾いてくれました。


良く指のまわる可愛らしい生徒さんです。


その生徒さんが、突然「先生の好きなカレンさんの曲も弾けるよ!」


そう言って1曲、弾いてくれました。




↑ 『こどものためのピアノ曲集 星のどうぶつたち』

田中カレンさん作曲の楽譜です。


最初に弾いたブルクミュラーの曲と全く違う雰囲気で弾いてくれました。

ペダルもうまく踏んでいました。


ムダな力が抜けていて、なんて神秘的で美しい演奏なんだろう…と感動しました。


リズムが少し違っているところがありましたが、それで良いと思いました。


情感たっぷりに弾いてくれたので、ミスを指摘するより、時にはそのまま弾かせたほうが良い時もあるでしょう。


宿題の曲ではないし、私がカレンさんの曲を好きと知って弾いてくれた気持ち…「心」のある演奏でした。


以前、私のブログで田中カレンさんの楽譜などを紹介した事があるのですが、私が好きな作曲家だと書いた記事を、お母様が読んで伝えてくれたのだと思いますが、私のために弾いてくれた事が、とても嬉しかったのです。


「心」を育てるレッスン。


ピアノを弾きたい、楽しいと思えるレッスン。


そんな生徒さんを育てたいと考えています。


現実は、楽しさを重視すると進み方が遅くなったり、難しそうな楽譜を見ると、拒絶反応?を示したりと悩みもあるのですが、どう考えても楽しい・弾きたいという気持ちがなければダメでしょう。


音大に進んでプロを目指すとしても、心ない演奏ではコンクール優勝もないでしょうし、人の心に響く演奏はできません。


小さな生徒さんが弾いてくれたピアノを聴いて、指導の難しさを改めて感じた時間でした。


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美しい演奏をするピア二ストのご紹介。





↑ 右側の本が『ピアニストになると思わなかった』

左側のCDが、セカンドアルバム『翼』

どちらも、ピアニストの中村 天平(なかむら・てんぺい)さんのものです。


5歳から音楽教育は受けていたけれど、高校を中退して解体屋として働いていた天平さん。


これではいけないと思い、音楽専門学校で高卒の資格もとり、芸大に入学して首席で卒業。


ニューヨーク在住ですが、多方面でコンサートを開くほど有名なピアニストです。


カーネギーホールでのリサイタルの他、世界中で演奏活動をなさっています。


彼の弾く曲は全曲オリジナル曲です。


日本にいる時も作曲はしていましたが、ニューヨークの音楽院でもしっかり勉強されたようです。


パワーのある、でも温かみのある美しい演奏に引き込まれました。


素敵なピアニストだな〜と思い、本を買ったりしたのです。


驚いたことが二つあります。


芸大を首席で…とあったら普通は、東京芸大だと思いますよね!

なんと、私と同じ大阪芸大の出身でした。


しかも・・・・・!


学生時代に師事したピアノの先生が同じだったのです。

まさか同じ門下とは…‼︎


2度びっくりしました。


私とは違って、強い思いを現実に変えた素晴らしい人なんだな〜と思いました。


天平さんは、演奏の時もTシャツにジーンズ姿の個性的なかたです。


学生時代も異色だったようです。


でも、大阪芸大は昔から「奇人変人の集まり」と言われていたので別に驚きませんでした(笑)。


私も見た目は普通でも、かなり変わっているので、のびのびと勉強できました。


私は「型」にはまるのがあまり好きではありません。


大勢で群れるのも苦手です。


中学や高校時代、休み時間に「一緒にトイレに行こう!」と言って、友達と一緒にトイレに行く人の気持ちがわからなかったですし(笑)。


ひとりで1ヶ月くらい、誰とも口をきかなくても大丈夫なくらい、ひとりを楽しめます。


本を読んだり、DVDを見たり、ピアノを弾いたり。


ピアノは時間と体力が許せば、何時間でも弾いていられます。


私の世界があるのに、知人などで、そこにはいり込んで来る人がたまにいて、ウンザリすることがあります。


あなたは、こういう人でしょう…と、勝手に決めつけて性格分析するような人も苦手です。


私にしか解らない部分があるのです。


それは、みなさん同じでしょう?


私の場合、人との距離間が少し長いのかもしれません。


私って、音楽オタク?…と思うこともあります(笑)。


そんな私の性格をわかってくれる人だけが、お友達でいてくれます。


でも友達は案外、多いですよ。


…と、「美しいピアノ演奏」から話がそれましたが、人と同じ方向を向いて、人と同じことをするのが良いわけではないと感じているのです。


型にはまらない、個性を生かしたピアノ演奏ができる生徒を育てたいと思います。


コンクール向きではないかもしれませんが、個性的で、楽譜に書いてある作曲家の気持ちを読み取り、それに答えられるような心のある演奏をして欲しいです。


裏で悪口を言ったり、損得で物事を考えたりする人の演奏は、技術的に上手でも人の心をうちません。


子どもの頃や、20代の頃はそれでいいでしょう。

でも、そのあとは残念ですが人の心に訴えかける演奏はまず無理だと思います。


そう考えると、音楽の世界って大変ですね!


大変でもやめられないのが音楽ですけどね(笑)。









お花、綺麗に咲いています。


私は昔から「花より団子」ではありません。

「団子より花」でした。


演奏したあとに皆さんからいただくお花(花束)を楽しみにしていました。

お花が大好きです。


でも、世間一般では「花より団子」のほうが多いと思いますよ(笑)。



では、また明日[E:paper]