こんにちは。



金田音楽教室のピアノ講師・金田陽子です。













初台のオペラシティ3階にある近江楽堂シューマンを聴いてきました。





↑ 1845年製作のシュトライヒャーのフォルテピアノです。



フォルテピアノ演奏者は小倉 貴久子(おぐら・きくこ)さんです。



第一線で活躍するフォルテピアノの演奏家と言っても過言ではありません。



華々しい経歴のかたです。



フォルテピアノというと「昔のあんまり響かない音域の狭いピアノでしょう?」と言うかたがいます。



確かにそうなんですが、そういう楽器だからこそ演奏者によって印象が変わります。



古い楽器ですから、バッハやハイドン、モーツァルトなどの演奏かな?…と思うかたも多いかもしれませんが、フォルテピアノにも歴史があります。



ロマン派の曲も弾けます。



ただ、それぞれの作曲家によって(楽器)フォルテピアノを変えて弾きます。



今回は、オールシューマンだったので、この楽器での演奏となりました。



19世紀のサロンの雰囲気で演奏してくださいました。



近江楽堂に100名位の席が設けられての演奏でした。



〈曲目〉

✴︎ プレリュードとフーガ OP16-2 (クララ・シューマン)


✴︎ スケルツォOP10 (クララ・シューマン)


✴︎クライスレリアーナOP16(ロベルト・シューマン)


✴︎ロベルト・シューマンの主題による変奏曲OP20 (クララ・シューマン)


✴︎幻想曲 ハ長調OP17(ロベルト・シューマン)



フォルテピアノで幻想曲を、どのように弾くのかとても興味がありました。


現代のピアノとは少し違う雰囲気でしたが、明らかにフォルテピアノのほうが良かったです。



…というより、小倉さんの演奏が素晴らしかったということかもしれません。



ご存知ないかたのために…。


一般的に「シューマン」と言っているのはロベルト・シューマン(男性)です。



名曲がたくさんあります。



クララ・シューマン(女性)は、ロベルト・シューマンの妻です。


9歳で公開演奏をするほどの天才少女ぶりでした。



今回は、そんなシューマン夫妻の曲を演奏したのです。



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クライスレリアーナも全8曲からなる難曲です。



でも、幻想曲はさらに大曲です。



現代のピアノでの演奏よりもわかりやすい、それでいて圧巻の演奏でした。



アンコールは、クララ作曲の「音楽の夜会OP6-2」でした。



演奏が終わって、しばらく放心状態で席を立てませんでした。



響きの美しさ、演奏技術、表現力の素晴らしさに感動でした。










↑ 小倉さんのCDは何枚もありますが、これはサイン入りです(笑)



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ロベルト・シューマンの楽譜は持っているかたが多いと思います。



クララ・シューマンの楽譜は、ヘンレ原典版から「作品選集」が発売されています。↓




ヘンレ版の表紙は、Wieck Schumann(ヴィーク・シューマン)になっています。


Wieck(ヴィーク)はクララの旧姓です。






↑ クララ・シューマン全集2 (春秋社)


この楽譜は、川嶋ひろこさんの校訂で、わりと最近発売されたのですが、信頼できる楽譜とのこと。



小倉貴久子さんから直接、この楽譜の信頼性についてお話をうかがいました。



もちろん1巻もあります。



弾きにくい曲もありますが、女性らしい素敵な曲がありますので、ご興味のあるかたはCDを聴いたり、ピアノで演奏してみて下さい。



では、また明日[E:paper]