皆さん、アンニョ~ン^^
いよいよ最終話!
後半は素敵なセリフが
たくさんあるので
あまりカットせず
じっくり書こうと思います



それでは、すたーとっ










公演当日の朝
ドクチュルはヘナムのことも
バレエのことも忘れていた
ヘナムとソングァンは慌てて
ドクチュルを病院へ連れて行ったが…
医師の診察を受けたとはいえ
すぐに記憶が戻るわけもなく
この状態で舞台に上がるなんて
到底無理なことだった
公演は諦めて家へ帰ろうと言う
ソングァンだが
練習場へ連れて行くと言うヘナム
あんなに頑張って練習していたんだから
何か思い出すかも知れない…と
その頃、チェロクは
ドクチュルがそんな状態だと
知るはずもなく…
バレエシューズの底に文字を書いていた
高く舞う人
シム・ドクチュル
その出来栄えに
満足そうに微笑むチェロク
そして、母に会いに行った
母さん、僕 今日は公演なんだ
これが終わったらコンクールに出る
今日は父さんも来るよ
見てるよね?
スタジオにやって来たドクチュルたち
あなたが練習していた所って
ここだったのね…
ヘナムが呟く
窓から差し込む日差しが
床やピアノやバーを照らし
ドクチュルの目に
その光景が入って来た
ここ…
私はここで
バレエをしていた
ドクチュルの言葉に
ハッとするヘナムとソングァン
ここでドキュメントを撮ってただろ?
今日はあなにとってすごく重要な日なのよ!
二人にそう言われても
ここで誰とどんなふうに
過ごしていたのか
思い出せないドクチュル
その時、突然
吸い寄せられるように
バーに向かったドクチュル
そっとバーを握る
すると、目の前に
ボンヤリとある光景が現れた
自分が誰かとレッスンしている
声が聞こえる…あれは誰なのか?
ゆっくり、ゆっくりと
霧が晴れるように
ハッキリしてくる
青年の声と姿
そして、聴こえる
白鳥の湖の音楽
チェロク…チェロクか?
ドクチュルの言葉にソングァンは
慌ててビデオの映像を見せる
映像を見た瞬間
ドクチュルは叫んだ
チェロク…チェロクだ!
そうだ!思い出したぞ!!
チェロク、君を覚えてる!
ヘナムとソングァンのことも
同時に思い出したドクチュル
ホッと胸を撫で下ろす
ヘナムとソングァンだが…
ドクチュルは頭が混乱していて
バレエの踊り方を思い出せない
もう舞台に上がるのは無理だった
家に帰る前に直接
迷惑をかける謝罪と
これまでの感謝を
会場にいるチェロクたちに
伝えに行こうと言うヘナム



会場ではチェロクたちが
なかなか現れないドクチュルを
心配していた
そして…
スンジュに病気の事を話すドクチュル
振付が思い出せないので
舞台に立つのは無理だ
公演を台無しにして申し訳ない
舞台に上がって
チェロクと一緒に踊りたかった…
そう言って涙を流すドクチュルを見て
一人では舞台に上がらない!
と、言うチェロク
ハラボジ!
僕が誰だか言って下さい
チェロクの問いかけに
イ・チェロク
私のバレエの先生
と、ハッキリ答えるドクチュル
僕が分かるから
できるよ、ハラボジ
と、チェロクは言うが
こんな状態では舞台に立てないし
完璧なバレエはできない
無理だ…と、断るドクチュル
それでもチェロクは言った
僕が約束したでしょう!?と
ハラボジが僕の前で
僕を分かりさえすれば
いつでもバレエを教えますよ
あの日の約束
完璧じゃなくても
ハラボジの体が全部覚えてる!
どこにも行かず
ハラボジの中に全部あるんです
動作をいくつかに短くするから
十分に最後までやれます
僕がそうできるように教えたでしょ?
僕を信じてるよね?
僕を信じて
最後までやってみましょう!
踊りを覚えていないのに
絶対にダメだと反対するスンジュに
チェロクは…
先生がそう言ったでしょ!?
僕が客席に座ってるのを見たくないって
僕もそうです
僕もハラボジが客席に座ってるのを
見るのはイヤなんです!
ここで終わりだなんて
ありえないでしょ
本当に舞台に上がって
終わりたいんです!
そうさせて下さい…
チェロクの願いを聞き入れたスンジュ
誰よりも近くでずっと
二人を見守って来た
スンジュもまた
チェロクと同じ思いでいるのだ
ハラボジ…
僕と一緒に舞台に上がりましょう
チェロクのその言葉に、喜び
感謝するドクチュルたち



公演の時間が近づいて
会場へ向かう家族たち
ソンサンたちはブンブンに乗って
ウノの運転で会場に向かい…
ソンスクたちは花を買っていた
父さんはバラが好きだと言うソンスクに
それは君が好きな花で
お義父さんはカスミソウが好きなんだよ
と、ソンスク夫
笑顔で席につくソンサンたち
今朝、ドクチュルに起こった事は
ヘナムとソングァンしか知らない
会場にはセジョンと少し離れて
ホボムの姿もあった
控室の鏡の中に
バレエの衣装を身につけた
一人の老人が映っている
その姿が目に入っているのかいないのか?
振付を思い出すことに
一生懸命のドクチュル
そんなドクチュルに
プレゼントを渡すチェロク
僕がこれに呪文をかけたから
何も心配しなくていいですよ
中には黒いバレエシューズ
ありがとう、チェロク
本当にありがとう
バレエシューズを手に取り
ドクチュルはそう言った
客席から拍手が聞こえてきた
始まったよ、ハラボジ
緊張した面持ちのチェロク
公演が始まり
チェロクたちの出番が
近づいてきた
暗い客席の中には
チェロク父の姿が…
舞台そでで出番を待つ二人だが
緊張のせいか?
ボンヤリしているドクチュル
ハラボジ!
僕は誰ですか?
慌ててチェロクが尋ねる
ここはどこですか?
ハラボジが一番好きなのは?
一番好きな作品は?
チェロク!
会場!
バレエ!
白鳥の湖‼
全ての質問に
スラスラと答えるドクチュル
ハラボジは今、一番好きで
一番やりたかった事をするんです
できるよ、ハラボジ!
そう言うとチェロクは
ドクチュルと反対側の
舞台そでへ向かって行った
白鳥の湖の音楽が
会場に響き渡る
青い光に包まれた舞台の上に
ドクチュルとチェロクが現れた
音楽に合わせて踊るドクチュル
このまま順調にいくと思われたが…
突然、ドクチュルの動きが
止まってしまった
ヘナムやスンジュたちの胸に
不安が押し寄せる
その様子に気づいたチェロクだが
何もなかったように踊り続ける
ハラボジ!ハラボジ!!
遠くなる意識の中で
チェロクの声が聞こえた
これまで僕と練習したことだけに
集中してください
そうすればできます!
ハラボジの体が
全部覚えています
どこにも行かず
ハラボジの中にあるから
この一年間の
チェロクと過ごした時間が
一番新しい記憶から
一つ一つ…
ドクチュルの中で
巻き戻されて行く
限界まで耐え抜き
合格したバランスのテスト
そして…
バレエをしたいのです
チェロクと初めて言葉を交わした
あの瞬間…
記憶の霧が晴れて行き
ドクチュルの足が動く
腕が上がる
チェロクの姿が見えた
ドクチュルがステップを踏む
チェロクが差し出した手に向かって
チェロクが高く舞い
ドクチュルも高く舞う
見守る家族や仲間たち
ホボムの瞳にも
涙が浮かんでいた
ホボムの涙によこりん号泣

そして舞台は
クライマックスを迎え…
手を取り合った
ドクチュルとチェロクは
眩しく輝く光に向かって
舞い上がった
高く、高く…



窓から差し込む眩しい日差し
目を覚ますドクチュル
体を起こし台所へ向かう
コップに水を注いで飲む
飲み終えると
ため息を一つつく
あれは夢だったのか?
居間のテーブルの上に
カスミソウを生けた花瓶があった
夢では決してなかった
ドクチュルはバッグから
手帳とバレエシューズを取り出した
バレエシューズだけを
引き出しにしまおうして
ふと手が止まる
シューズの中に文字が見えた
高く舞う人
シム・ドクチュル
チェロクがかけてくれた呪文
ゆっくりと顔を上げ
ドクチュルは言った
夢のようだ…





長年の夢が叶ったことが
夢のように思えたドクチュル

いやぁ~~
夢じゃなくて良かった

あの舞台は
認知症がひどくなった
ドクチュルの夢でした…
とかいう展開だったら
暴れるトコだったわ~

あと一回で終われるかな?
それでは
今日も最後までお付き合い頂いて
ありがとうございました

*画像お借りしました