ハン・ジミンとパク・ヒョンシク主演の短編映画『二つの光』を視聴しました。
ヒョンシク君にとっては初めての映画だったそうです。
大好きだったドラマ『力の強い女ト・ボンスン』以来、久しぶりにヒョンシク君を見ました。
お顔が少しふっくらしたかな?
主役の二人は視覚障害者です。
『その冬、風が吹く』みたいに、どちらか一人が見えない…というドラマは見た事がありますが、主役の二人ともが見えないストーリーは初めてでした。
映画やドラマを小説だとすると、この映画は一遍の「詩」のようなイメージを受けました。
小説には登場人物の心情を表わす描写があったりしますが、詩にはありませんよね?
その文字を読み、自分なりに感じる…。
この映画にも、登場人物の心の声とかナレーション的なものは一切無く、ただ淡々とストーリーが進んで行きます。
時間も30分程度と短く、最初観終わった時は「えっ!?もう終わり?」と、驚きました。
でも、画像をキャプるのに何回か観ていると、不思議と「ああ、これはこんなふうに思っているのかな?」とか、自分なりに感じる事ができました。
監督さんや脚本家さんの製作意図は分かりませんが、観る人なりの感じ方で捉える映画なのかな…と、勝手に解釈しています。
たった30分の映画なので、ドラマティックな展開があるわけでもドキドキハラハラする事もありません。
でも、何となく優しい気持ちが心に残る…そんな映画です。
では、私が感じた表現で「あらすじ」を書いてみたいと思います。
完全ネタバレになっているのでご注意下さいね
視覚障害者福祉館を訪れたインス(パク・ヒョンシク)は、入り口で一人の女性に部屋を尋ねます。
付いて来て…と、言われて女性の後をついて行くインスですが、階段で戸惑ってしまいます。
「視覚障害者ですか?」と、手を取ろうとする女性を頑なに拒むインス。
そんなインスに「初心者なのね」と言って、インスに階段の手すりを掴ませる女性。
視覚障害者の写真同好会に出席しに来たインス。
女性もメンバーの一人でした。
同好会に初めて参加したインスは、少し緊張した声で「こんにちは。ソ・インスと申します。」と、挨拶をします。
インスの声だけで「イケメンで、歳は27歳ね。」と、言い当てる年配の女性。
女性の隣に座っていた男性がインスに「どれくらい見える?見えなくなってどれくらいだ?」と、尋ねます。
「僕はRPなので視野が狭いのですが、まだ直線歩行は可能です。三年しか経っていない、初心者です。」と、答えるインス。
インスに話しかけた女性はオ・ギョンファ。
部分部分が少し見えて、10年になると言うギョンファ。
ギョンファの隣に座っているのはハン・ギナム。
彼はギョンファの夫で全盲です。
インスの隣に座っているのはイ・ドヒョンという中学生。
「お兄さんと同じRPです。」と、ドヒョン。
ドヒョンはお母さんと一緒に参加しています。
インスを案内して来た女性はアン・スヨン(ハン・ジミン)。
「片目は見えなくて、もう片方の目は靄(もや)がかかったようにぼやけて見えます。7歳の頃から見えなくなり始めました。」と、スヨン。
そして、もう一人の視覚障害者の女性はキム・ビョンオン。
「私もインスさんのようにRP患者ですが、まだ視神経が生きていて夜か昼かは区別して暮らしています。それで幸せです。」と、ビョンオン。
彼らの他に二人のボランティアと教授が参加しています。
*RPとは…網膜色素変性症(Retinitis pigmentosa の略)。
慢性的経過をたどる進行性の先天性眼疾患である。
視野周辺部から狭窄が進み夜盲症が生じる事を特徴とする。
外で写真撮影をする同好会のメンバーたち。
それぞれが撮りたいものを手で触れ、心の目で「見て」、ボランティアの目を借りてシャッターを切ります。
撮影の合間に、インスの仕事は何かと尋ねるスヨン。
ピアノの調律師をしていると答えるインス。
自分は「匂いを嗅ぐ」仕事をしていると言うスヨン。
仕事中のインス。
目をくっつくくらいに近づけて、ピアノの音を一音ずつ整えます。
そうしながら、自然とベートーベンの「月光」を弾いているインス。
そこに「またピアノを始めるのか?」と、同僚のおじさんが話しかけて来ます。
おじさんはゴーグルのような物を付けています。
おじさんもインスと同じRPです。
「メガネじゃなくこれを付けてみろ。」と、ゴーグルをインスに渡します。
息子が仕事の時にこれをつけろと買ってくれたんだ…と。
そのゴーグルを覗いてみると、ぼやけてはいるものの、メガネよりはよく物が見えるようです。
ある日の撮影会で…
インスを隠し撮りするスヨン。
インスの写真をパソコンで拡大して、まだ見える方の目で一生懸命にインスの顔を見ようとするスヨン。
そこにスヨンの生徒たちがやってきて「先生の彼氏ですか!?」「彼は芸能人なんですか?すごくイケメンですね!」と、大騒ぎ!
スヨンの仕事は、アロマテラピストです。
ある晴れた日。
今日は海で撮影会。
目の前にあるのは海だけだ…と聞かされて、全速力で走り出すドヒョン。
メンバー全員がドヒョンを追いかけるように、杖もつかずに走り出します。
波打ち際まで走りつくと、みんなは息を切らしながら「気持ちいいね」「良いな~」と口々に言い合います。
そしてドヒョンが呟きます。
「僕、幸せだ」と。
海を後ろに今日は「人物」を撮影するメンバーたち。
母に「お母さん、キムチ~!」と言いながら、レンズを向けるドヒョン。
満面の笑みを浮かべる母ですが、シャッターが切られると…その瞳に涙が光ります。
カメラをセットしてインスを立たせるスヨン。
そのままじっとしていて…と、インスから5歩離れます。
「インスさん!手を振って下さい!」と、叫ぶスヨン。
「早く!」と急かされ、遠慮がちに手を上げるインス。
「私たち、お互い見えてるんですよ!私が見えると思って手を振ってみて下さい!」と、スヨン。
言われるままに手を振るインス。
いつの間にか…インスはスヨンに向かって笑顔で大きく手を振っています。
スヨンも楽しそうにインスに向かって大きく手を振ります。
撮影が終わり、少し薄暗くなった海辺を歩く二人。
ふと、スヨンがいる方向に光を感じるインス。
ハッとして立ち止まります。
慌ててスヨンに駆け寄り「僕、今チラッと見えたみたいです!」と話し掛けます。
「何を?」
「スヨンさんの顔です。」
「どうでしたか?」と、心配そうに尋ねるスヨン。
「チラッと綺麗でした。」と、インス。
「チラッと?」と、苦笑いのスヨン。
インスに「見える夢を見ますか?見えない夢を見ますか?」と、尋ねるスヨン。
「僕は見える夢を見ます。なぜですか?」と、答えるインス。
「インスさんはまだまだですね。私はもう夢の中でも声ばかり聞こえるんですよ。」と、スヨン。
「スヨンさんはまた見えるとしたら、何が一番見たいですか?」と、インス。
「う~ん。ポロロ?」
そのスヨンの答えに、インスは思わず笑ってしまいます。
スヨンはインスを「来週の金曜日に夜景を撮りに行きませんか?美味しい物も食べて…。」と、デートに誘います。
「いいですよ。」と、照れくさそうに答えるインス。
ちなみに、これ↓がポロロです
ある日、仕事を終えて部屋を出たインスは、明かりが点いている廊下を真っ暗に感じて愕然とします。
診察を受けると「進行が急に速くなったな…」と、医師。
「どのくらい残っていますか?」と、不安そうなインス。
まだ視神経の機能が残っているが、今後どうなるかはは見ていかないと…と、言われてしまいます。
インスとのデートに向かう途中、段差を感じて杖を取り出すスヨン。
杖で段差を確認しながら歩いているスヨンに気付いて「私が連れて行ってあげよう。」と、スヨンの腕を取るお婆さん。
急に触られて驚いて尻餅をついてしまうスヨン。
「こんなに綺麗なのに、可愛そうに…」と、呟くお婆さん。
「私には、放っておいてもらう方が助けになります。」と、言うスヨンにお金を握らせ「辛くてもしっかり生きなさい。ああ、可愛そうに…」と言いながら去って行くお婆さん。
空を見上げ、溜息をつくスヨン。
インスとの待ち合わせ場所に現われたスヨン。
スヨンに近付いたインスに、スヨンは「どなたですか?」と悪ふざけをしてしまいます。
驚いて「よく見えなくて…」と、謝るインス。
「インスさん!私ですよ。驚いたでしょう?」と、クスクス笑うスヨンに「スヨンさんは視覚障害者なのが面白いようですね。」と、怒って行ってしまうインス。
慌ててインスを呼び止めるスヨン。
バッグから何かを取り出して「インスさんに必ず必要だから。いつも持ち歩いて下さい。」とインスの手に握らせます。
「それと…私はインスさんが好きです。」
そう言って、インスの前から去って行くスヨン。
スヨンが握らせた物を触ってみるインス。
それは小さなライトでした。
夜道を歩くインス。
外灯のない真っ暗な路地に入り、足が止まってしまいます。
スヨンからもらったライトを取り出してスイッチを入れるインス。
すると、パッと足元が明るく照らし出されます。
インスにはボンヤリとしか見えないけれど、でもちゃんとその行く先を照らし出してくれるライトの光。
その光を頼りに歩きながら、いつしか微笑んでいるインスでした。
あのゴーグルを付けてピアノを弾くインス。
楽譜がよく見えなくなってからピアノを弾かなくなっていたインスでしたが、ゴーグルをつけると何とか音符を追う事ができるようです。
夢中でピアノを弾くインス。
見えていた時と同じように、美しい音色を奏でるピアノ…。
同好会の展覧会に集まるメンバーたち。
ドヒョンも自分の作品を見ようと一生懸命です。
そこに遅れてやって来たインス。
みんなに挨拶するインスの声を聞いて「顔が明るくなったようだな。」と、ハン・ギナム氏。
ボランティアのボンギュにスヨンはどこにいるか尋ねるインス。
スヨンの方向にインスを向かせて「ここから10歩です。」と、教えるボンギュ。
海で撮った写真を一生懸命に見ているスヨン。
そっとスヨンの後ろから近付いて、ゴーグルで写真を見るインス。
「僕たちの写真ですね。」と言うインスの声に驚いてふり返るスヨン。
「来たんですね。」と、気まずそうに行ってしまおうとするスヨンを「ちょっと待って。」と、引き止めるインス。
インスはスヨンを写真の前に立たせて「これは僕が仕事の時に使ってるんですが…」と、ゴーグルを渡します。
ゴーグルを通して、手を振り合っている二人の姿がスヨンの目にもボンヤリと映ります。
「見える。」と、嬉しそうに呟くスヨン。
スヨンから少し離れて「スヨンさん!」と、声をかけるインス。
インスは振り返ったスヨンに向かって、恥ずかしそうに胸の前でハートを作ります。
「見えますか?」とインスに言われてゴーグルを目にあてるスヨン。
スヨンが何も答えないので「見えないんだな…」と、今度は頭の上で大きくハートを作ります。
「見えますか?」と、尋ねるインス。
やっぱり、何も答えないスヨン。
クスッと笑うスヨンですが、インスにはそれが見えません。
「遠すぎたか?」と、スヨンに近付くインスに「見えます。全部、良く見えています。」と、微笑むスヨン。
フッと笑ってスヨンの手を取るインス。
突然、インスにキスするスヨン。
「誰かに見られますよ!」と、驚くインス。
「ここに見える人が、どこにいますか?」と、囁くスヨン。
「ああ、そうですね。」と、笑うインス。
今度はインスがスヨンにキスしたけれど…おでこにぶつかってしまいます。
痛がるスヨンに「ごめんなさい。大丈夫ですか?」と、謝るインス。
そんな微笑ましい二人を、しっかり「見て」いる同好会のメンバーたち。
「ちょっと早すぎやしないか?」と、呟くハン・ギナム氏www
インスのゴーグルをつけて座っている母を見ているドヒョン。
それが誰なのか教えていないので、母は声を出すのを一生懸命に我慢しています。
「髪を結んでる。女の人だ。指でハートを作ってる。何だか見覚えがあるようだけど…」と、自分が見えている人の様子を話していたドヒョンですが…
ハッとして「お母さんなの!?」と、叫びます。
「そうよ、お母さんよ!」と、嬉しそうに何度もドヒョンに微笑みかける母。
今度はギョンファがゴーグルで夫を見ています。
「あの年寄りは誰なの?」と、ギョンファ。
メガネを外して指でハートを作るハン・ギナム氏。
「お前、私だよ。見えるか?」と言う夫の声に、驚いてゴーグルを外すギョンファ。
「騙されたわ…」と、呆然とするギョンファに笑い出すメンバーたち。
楽しそうな笑い声が部屋中に響き渡ります。
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いかがでしたか?
これはあくまでも私の解釈なので、見る人によってはまた違った感じ方をされるのでは?と思います。
映画の題名の『二つの光』が何なのか、最後までよく分からなかったのですが…。
エンドロールでヒョンシク君の歌が流れるのですが、その歌詞の中に「涙が止まらない そんな時は目を閉じて 僕の手を掴んで 光が見えるから その光は愛なんだ」という歌詞がありました。←ちょっと自信ないけど
それを聞いて『二つの光=インスとスヨンの愛』なのかな~?なんて思いました。
間違ってたらごめんなさい
このヒョンシク君の歌もすご~く良いので、ぜひ観てみて下さい
長くなりましたが、最後までお付き合い頂いて有り難うございました
画像お借りしました。