寒い日が続きますが、皆さまお元気でしょうか?
今日は以前教えていた生徒さんから10年ぶりくらいに連絡をいただき、嬉しかったです🥰
アメリカ🇺🇸の方で、本国で仕事に就いたので、それを機にお別れだったのですが、こうして時を経てご連絡いただき嬉しい☺️✨
さて、ピアノの話しです🎹✨🎼
今、弾いているのはドビュッシー「ヒースの茂る荒地」という曲なのですが、春の発表会で映像に合うかな、と思いあれこれ考えています。
ドビュッシーのイギリス趣味が表れた素敵な曲なんです💓
ヒースという花?!
ご存知ですか?
日本では「エリカ」という名前で呼ばれているそうなのですが、ヨーロッパではとても親しみのある花だそうで、「ヒース」と呼ばれているのです。
イギリスの作家エミリー・ブロンテの「嵐が丘」の舞台はまさに、ヒースの咲く荒れ野ですね。
主人公の名前もヒース・クリフ。ヒースの岩という意味ですね。
イギリスの北部ヨークシャーの荒地が舞台です。
土地が痩せていて、作物が育たないし、常に強い風が吹き荒ぶ、厳しい自然環境だそうです。
また、作家ブロンテ姉妹の生きた18世紀は、その厳しい自然環境に加えて、水道の発達が遅れていた地域でもあり、生活環境も整っていなかったせいで、病気が蔓延し、平均寿命は25〜6歳だったそうなんです。実際、ブロンテ姉妹も3人ともに早く亡くなっています。
そんな厳しい環境の中、赤紫色の可憐な花、ヒースだけが荒地一面に咲いている風景。
いわゆるイギリスの田舎の風景なのですが、穏やかとは言い切れない、何か寂しげだし、そこはかとない悲しさが漂っている気がします。
ドビュッシーの「ヒースの茂る荒地」も素敵な曲ですが、長調だけれど、明るい曲ではないと感じます。そこはかとない悲しさを秘めているからこそ、尚更にヒースの美しさが際立つ、そんな土地に想いを馳せつつ、ドビュッシーの音楽を表現できたらと思います。
文学作品や音楽から、世界の未知の土地の空気を感じます。現代は状況も良い方に変わってきているとは思いますが、当時の空気感、芸術作品からは伝わってきますね。