6月18日に 横須賀市馬堀町の音楽カフェ
スペース&カフェモントン
で開催いたします ピアノリサイタル🎹をいたします。
有難いことに、早くもたくさんの方にご予約いただき、残席は10席ほどとなりました。
今日はそのプログラムにも含まれる
ショパンのワルツop.64-1「仔犬」DES durと
op.64-2cismoll
について、私が感じる魅力を書いてみたいと思います。
こちらの二曲は、ショパンの全ての曲の中でも非常にポピュラーで、人気の高い作品です。
また、ピアノ学習者が初めてショパンを学ぶ際に選ばれるような曲でもあり、よく皆さまに知られた作品です。
ショパンはワルツを19曲作曲しています。
ワルツはどの作曲家もよく作るジャンルですが、いわゆるダンス(踊り)です。
踊りはどこの国でも、どこの民族でも発生するもので、歌と同じで、人間にとって、欠かすことのできない身体を使っての感情表現の手段です。
ショパンは舞踏の作品を
マズルカ、ポロネーズ、ワルツと作りました。
マズルカはポーランドの田舎の民族舞踏で、ショパンにとっては、とても私的なものとして自らの心情を飾ることなく日記のように書き、ショパン作品の中でも最も多く50曲以上の曲を残しています。
ポロネーズもポーランドの踊りですが、マズルカに比べて公的な意味で作られており、大きくて立派なイメージがあります。
そしてワルツですが、ワルツというのは貴族の舞踏会での踊りを意味します。社交界の花であったショパンは、華やかで洒落た、社交界の場にふさわしいワルツを作ります。
社交界の場で花となるような振る舞いのできるのがショパンであったようです。
しかし、ショパンの心の内は、いつでも祖国への激しい想いに満ちていて、仮面の下では深い悲しみを持ち、また自身の健康への心配もつきまとっている、、、、それが、本当のショパンの姿だったのです。
そのうちに、軽く華やかで優雅なワルツの中にも、ショパンの本質を垣間見るような作品が増えていきます。
「仔犬のワルツ」は明るくて、仔犬が戯れて遊んでいる様子を描写したものですが、その中にもショパンの翳りを感じます。
それもそのはず、作品64は、ショパンが生前に発表した最後の作品の一つなわけです。
もう、ジョルジュ・サンドとも破局するような時期であり、迫り来る自らの死への予感を感じるような時期であったわけです。
この作品64のワルツはショパン作品の中でも珠玉の作品なわけですが、あまりに有名すぎて、つい、その真価を見失ってしまいがちですが、この美しい作品を本当に美しく輝かせるには、ワルツという枠組みの中で、ワルツの基本のリズム感の中でこそ出る魅力があるのだと確信しました。
ショパンは本当の天才ですね。
作品を輝かせるための魔法は全て、楽譜の中に収められているのですね。
何か奇抜なことを試みなくても、ショパンの真意を読み解くことができたら、それだけで作品は輝いていくのです。
私の演奏でどこまで実現できるか分かりませんが、少しでもショパンに近づけるようにすることが、今はとても楽しいです。