当院は長い間、「人形供養の寺」として

地域の皆様に親しまれてきた…

と、自負していましたが・・・・・。

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大によって、

当院の人形供養祭は・・・

 

◯2020年は、中止

◯2021年は、規模縮小して

関係者のみで無観客開催

◯2022年(昨年)は、規模縮小および

一般参拝者の人数制限をして開催

 

と、とても異例の取組みとなってしまいました。

長い間続けてきた伝統行事なので、

住職として苦渋の決断でした。

 

※2021年および2022年には実施報告も兼ねて、

記録動画も作成・公開いたしました。

 

https://www.youtube.com/watch?v=lgbRe4Zw9rQ&t=3s

 

https://www.youtube.com/watch?v=9atEaMF8Qzc&t=9s

 

ただ、中止や制限付きの開催でも、

皆様からの人形の持ち込みは

変わらずにありましたし、

随時、供養も行ってまいりました。

 

 

この度、2023年 3月26日(日)開催 

人形供養祭は「第37回」となりますが、

3年間の空白とも言える期間を考えますと

誠に格別の、万感胸に迫る思いです。

 

今回の人形供養祭の(ほぼほぼ通常に近い)

開催を決断したのは、

まだ新型コロナの感染も収まりきらない、

昨年の12月のことです。

 

今思うと、我ながら英断とも言える

決断だったかも知れません。

この3年間の不測の事態に、

非常に大きな危機感を抱いていたのです。

 

お寺の役員や人形供養祭実行委員会、

婦人会の皆様の高齢化や健康問題もある中、

規模縮小して実施している内に、

新型コロナが収まった後も

このままの(規模縮小での)開催

でも良いのではないか?

という声も、一部で聞かれるように

なっていました。

 

しかし、この大事な伝統行事、

下火のままでは絶対にダメだ!という

強い思いも込み上げてきたのです。

 

変則的開催の3年間にも、

檀家さんや一般の方々からの

有り難い応援もありました。

継続的な人形の持ち込みをはじめ、

中止or開催の問合せや開催希望など・・・。

 

この古き良い行事・風習は、

間違いなく地域の皆様に根付いている

と、確信したのです。

決して衰退させてはならない!!・・・と。

 

 

 

(今回は、子供行列も行います。)

 

今回で37回を数える当院の人形供養祭は、

ずっと、「3月の最終日曜日」に開催していますが、

この時期は、年度末という

区切りの時期にも重なります。

 

人々はこの時期、自身の生活や人生に

何らかの区切りをつけて、

新しいスタートを迎えます。

「別れ」もあるでしょう・・・、

しかし「新たな旅立ち」も始まります。

 

学生さんは卒業式を経て、

進学や新しい社会への仲間入りを・・・。

 

あるお子様やご家族は、

長年親しんできた人形に別れを告げ、

新しい生活を始められるかも知れません。

折しも私の子供もこの3月に

小学校を卒業し、中学に進みます。

 

いろいろな事案に思いを巡らせながら、

今回の人形供養祭の開催を決断したことに、

今も後悔はありません。

 

皆様、今後とも当院の人形供養祭への

ご理解とご協力ほど、

何とぞ宜しくお願い申し上げます。