建築関係の現場監督をしていた主人は、仙台に転勤していた。

2週間前からお腹が痛いと言っていたが、いつものことなので、ビオフェルミン飲みよーなどと言っていた。

しかし、作業場で事故があり、人手が足りず、高熱がありながら無理をして働いていた。

めずらしく夜の8時に着信がはいり、

「今、救急病院来てるんやけど、盲腸らしいから、いまから切るわ」

と、人生で初めて体にメスを入れることになり、不安と緊張が伝わってきた。盲腸は軽い方やからすぐ終わるってー、と励まし、終われば必ず連絡してほしいと伝え、電話を切った。

その日は奇しくも、私の誕生日だった。

嫌な予感がした。