今日は学童保育のこどもたちと近くにある公園へ。
「ねぇ、大発見‼️ねずみが死んでる‼️」
小学1年生のタクマと2年生のショウタが私を呼び寄せました。2人がいるほうへ向かうと、確かにハムスターのような動物の亡骸が石畳の上に置かれていました。どうやら、綺麗な石を探していたタクマとショウタが、たまたま地面の浅いところを掘っていたところ、ビニール袋が出てきて、中を見たところ動物の亡骸が入っていたとのこと。
「きっと飼っていたハムスター?が死んじゃって、お墓を作ってあげたのかもね…」と私。
すると、タクマは木の枝を使って一生懸命地面を掘り、動物の亡骸をそっと埋めたのでした。さらに、お墓だとわかるよう、木の枝を拾って近くに立ててあげました。
ここから、こどもたちのお墓づくりが自然発生的に展開しました。お墓だとわかるよう木の枝で印をつけるタクマの様子を見ていた1年生のリカとオトハ、ミクが椿やパンジーの花を集めてお墓の周りに飾りました。また、2年生のコウキは「見て!この花、なんだか作り物みたい🌸」と驚きながら、綺麗なピンク色の花を供えました。
「でもさ、これがお墓だってわからなかったらどうしよう?」とこどもたち。その呟きを受け、リカは木の枝を並べ、「さわるな」という文字を作ることを提案。ちょうど良い枝がなかったようで「さ」のみ枝で、「わるな」は地面に文字を書くことに。みんなの想いが込められたお墓を守りたいという気持ちが伝わってきました。
「これ、オレ知ってる!御守りの鯛だよ!」と、どこから見つけてきたのか鯛を模した紙細工?を持ってきたショウタ。お迎えの時、保護者の方に写真を見せたところ、七五三のお祝いの時に同じようなものを見たことがあるから、それを思い出したのかも知れないとのことでした。自分の体験を重ね、お墓に供えたショウタの姿に感動しました。
また、オトハは今日1日大切に持っていた銀色のモールで作った指輪をお墓に供えました。さらに「この子(亡くなってしまった動物)の名前、『ピーちゃん』にしてあげるの」と提案。「この指輪と(近くに落ちていた)貝と、小さな葉っぱ、ピーちゃん喜ぶかなぁ」と呟きながら供えいました。供え終わると、手を合わせてお祈り。詳しくは書きませんが、オトハ自身も様々な体験をしており、だからこそこのような優しく温かな振る舞いが生まれたのだろうと感じ、胸が熱くなりました。私も一緒に合掌。「ピーちゃん、きっと喜んでいるよ。これからみんなのこと、守ってくれるよ」と伝えながらー。
ピーちゃんのお墓の周りには次々とお供え物が置かれていきました。リカは綺麗な葉っぱを見つけ、そこに木の枝で文字を書こうと試みました。「見て!ほら!字が書ける✨」と発見したリカは、「おはか」と文字を書いてそっと供えました。
「ピーちゃんって男の子かなぁ?女の子かなぁ?オトハね、女の子だと思う!だって、ピー〝ちゃん〟だから」と呟き、年老いても元気でいられるようにと杖のような形の木の枝を供えたオトハ。本当は別の遊びに使おうとしたであろうドングリや松ぼっくりを供えたリカ。木の枝の剣を振るいながら先程見つけた綺麗な花を一生懸命集めた(「花も生きているね。花の命も大切だねぇ」と伝えると、納得したように、過剰には取りすぎないよう気をつけていた)コウキ・タクマ・ショウタ。みんなの想いが詰まった〝ピーちゃん〟のお墓が、こうして完成しました✨
お墓づくりの途中、タクマは「最初ビックリしたよ。それでね、(少し離れた場所で遊んでいた)他の子たちに『これ、な〜んだ?』って袋から出してビックリさせようと思ったの」と打ち明けてくれました。本来、一段高いところにあった植え込みにあったはずの亡骸がなぜ石畳の上にあったのか疑問に思っていたのですが、タクマの語りを通して謎が解けました。お墓づくりがある程度進んだ時点で打ち明けてくれたのは、タクマ自身の内面で動物の亡骸に対する捉え方が「ネズミ」「ビックリさせるもの」から〝ピーちゃん〟へと変化した表れなのかも知れません。お墓づくりを通してのタクマの変容に感動しました。
以前、前に働いていた学童保育で飼っていたカブトムシ(〝もぐくん〟)が亡くなってしまった時のことを記事にまとめたことがあります。https://ameblo.jp/yokomeyagi19/entry-12661966481.html
「生き物の死」という状況に直面する中で生まれる協働・共創造の〝動き〟の中にいると、こどもたちの優しさに心が震えます。もともとの飼い主さん、そして学童保育のたくさんのこどもたちに見送られた〝ピーちゃん〟は、きっと天国からみんなのことを見守ってくれることでしょう。「天国で幸せに暮らしてください。そして、天国から、こんなに優しいこどもたちを守ってください」ー。
※ブログに登場するこどもたちの名前は、全て仮名です。