他の団体で活動をする人々を少し知るようになった。中でも聖書と日本フォーラムは聖書と古代日本の関係について研究している特異な牧師グループだった。米人宣教師からあなたに紹介したい人がいると言われ、会った男性がこの団体の理事をしていた。彼らは聖書を研究しながら、紀元前に日本列島にやって来た渡来人から、この国の歴史を深く学ぼうという人たちだった。
古代日本と聖書の関連性を書物で読みあさったこともありその団体に早速入会した。
すると、理事になって欲しいと頼まれ、そのまま引き受けた。
聖書と日本フォーラムの研修会では、伊勢神宮への参拝はもちろん、謂われのある神社を巡り、珍しい神事を見学した。普通クリスチャンは神社への参拝も偶像礼拝として行きたがらない。しかし、諏訪大社の上社で行われる御頭祭はこの上なく聖書的だった。
聖書の創世記でアブラハムが独り息子のイサクを神に捧げようとする場面がある。
見えない神様への信仰心を試された有名なシーンだ。
それと酷似したストーリーが諏訪大社の神事として現存する、一体これは何だろうか。
聖書を知る渡来人たちが、つまり出雲からやって来たカミサマがこの地で、アブラハムがイサクを捧げる神事を行い、裏山をモリヤ山と名付けご神体として崇める。
これがますます聖書的で、まるで何千年もタイムスリップし聖書の世界に身を置かれたような気になる。関心を持たれた方は、聖書のその箇所を先ず読まれ、4月15日に行われる御頭祭をご覧になったら如何だろうか。
現実にこれほど聖書物語に酷似した神事と背景にあるものを知れば知る程、
人に知ってもらわなければ、伝えなければという気にさせられる凜子だった。
日本と日本人は、預言にある通り、神様から大きな使命を担った尊い民族だから、
一人でも多くの人に、自分のなすべき事や日本の立ち位置を知ってもらいたい。
それには一致団結し、同じ方向を目指し、同じ思いで、あるべき姿として
ヤマト大和の心を世界へ伝えなければと凛子は祈る思いで活動している。
30数年間、医療と医療人の狭い世界にどっぷり浸かっていた彼女が、他者が行う精神世界への扉を少し開いた。他の人々は? 彼らの活動は? 何を目的に何故活動するの?
好奇心旺盛な知りたがり屋の凜子はドンドンと人々の中に入っていった。
そして、段々横のつながりを持つようになった。
キリスト教系列の病院や施設や学校は日本全国に数多くあるが、日本人のクリスチャン人口は全体の1%にも満たない。天の父と人をつなげるためにキリストイエスは地上に降り立ったのに、彼の私たちに捧げた無償の愛に触れていない日本人は全人口の99%もいる。