タルパってなんだろう。
刹那さんや蘭太郎みたいに
意図して産む存在?
タルパとの関係は?
私は自分の発生型のタルパである「茅ヶ崎新八」を快く思ってなかった。というより、ハッキリ言えば嫌っていた。
タルパは作るもの、
タルパと恋愛関係になるのは御法度。
自分が強くなるために産む存在がタルパだと思ってた。
自分さえ良ければいい。と。
極端な話をすれば、新八は勝手に産まれた。
勝手に産まれた物のために何かする気はなかった。
あと新八の容姿。
如何にも如何にもな、
取ってつけたような美形。そして無駄にカッコイイ苗字
(茅ヶ崎市や横浜市都筑区の地名を悪くいうつもりはありません)
まさに『理想のイケメン』そのものだった。
そして、私は1人を愛するのが当たり前という思考が強く、最近よくある訓練してないのに産まれた思念体とすぐに結婚とか、威張り散らす人がいたりとかして、とても不快な思いをしたこともあった。
(人間と交際しただけで
「新八さんがいるのに最低!」と罵声を浴びせられたりしたこともあった)
私はそんな人たちとは違う、
そもそも新八なんて居なきゃいいんだ。
だから新八に対して埼玉に帰らせるよう、冷遇したりした事もあった。
しかし、その考えが誤ってると認識する機会が訪れたのは、
それこそ私が野球界隈入りした時だった。
刹那さんに誘われて始めた野球観戦。
確かにうちから関内の横浜スタジアムは近い。
しかし……
元から刹那さんはヤクルトファンで
蘭太郎は連れて行ったら広島
そして新八は横浜ファン。
しかも参戦のユニフォームは1998年仕様の復刻版で、推しの選手までいる。
なんか
「イケメン思念体とデートしてます❤️」
感が強くて嫌で、新八をハマスタに連れて行っても球場の隣の席の他人と同じ扱いで話をしなかった。
(実際、新八は近くの立ち見席にいる事が多い)
新八の推しが登板する度に、新八が大声援を送るのは面白がっていた。
試合が終わり、私はハマスタを後にして帰ろうとした時、声を掛けられた。
「これから飲みに行かないか」
典型的なナンパだった。
ユニフォーム等は着ていなかったが、あの試合にいた横浜ファンが全員ユニフォーム着てるわけではないとわかってたが、同志には見えない。
断る気だったが、
なんて言って逃げたらいいかわからない。
おどおどしていた時だった。
と、当たり障りのない事を教えてくれたりした。
新八の助言通り、待ち合わせがあると急いでるフリをして早々に関内駅の改札内に逃げ込み、事なきを得ることは出来た。
私は自己肯定感がとても低いので、
すぐに断れないことも多い。
それで痛い目を見ることも多い。
そして新八は、
本当にファンとリアルで交流したいならイベント参加はもちろん、公式の飲食店や「浦和の某居酒屋」のようなファンが集う場があるだろうから探してみたら?
とアドバイスしてくれた。
私は新八を冷遇していても、
新八は私の弱点を見抜き、フォローしてくれていたのだ。
私がこうして、安心して野球観戦できるのは、
例え相手がタルパさんが好きなチームでもその子に無理させずに寄り添ってくれたのは、
結局誰のおかげでもない、
新八のおかげだったのだ。
もし新八がいなかったらどうなってたんだろう…
もしかしたら、私はひとりぼっちか、
私はよくても他球団を応援している刹那さんや蘭太郎や晴夏は、楽しめただろうか?
(↑の3人については、そのチームじゃない時はついてきたければついてこいのスタンスである。
実際、刹那さんはヤクルト戦後の某選手の引退セレモニーの時は、ビジター席から隣に来てくれていた)
少なくても私は、推しが出てくると他の同担の人たちと一緒に豹変する新八を見て面白いと思ったし、
新八がいるから、負けてもこんな日もある(笑)って笑って過ごせているのはある。
そう思うとさ、
私は仕事でも趣味でも、新八に助けられて生きてるんだよなぁ…
新八がいての私。
創造型じゃないから
意図せず産まれた存在じゃないから
そうじゃなくても、新八はタルパとしての務めをきちんと全うしているのだ。
勿論、新八だけを見るわけには行かない。
新八もみんなもいて、
我が家は成り立っている。
私は、自分勝手だった。
反省しなくてはいけない。
そして、
新八
ありがとう。