デトロイトから飛行機で1時間、無事グランドラピッズに到着。

この時にはさすがに疲れ果て、離陸前から4人で曝睡し、着陸で目が覚めた。

J.フォード国際空港(以前書いた通りグランドラピッズはフォード大統領の出身地)からアパートまで

車で約30分。

今思うとグランドラピッズの中心街を通り抜けてきたはずなのに

あの時はかなりの田舎道に感じた。

信号は少ないし、走ってる車も少ない。

道路の両脇には大きな大きな木が立ち並び、その木の間に家が建っている。

もう6時頃のはずなのに日本の午後2時3時ごろの明るさ。

田舎好きの私にとって、もう第一印象はサイコー!!つかみはOK状態。

今思えば、この時、私はもうすでにグランドラピッズにとりつかれていたのかも。

Hの手作りの夕食を食べた後、無事到着したことにホッとしてすぐに寝付いた。

翌日は、小鳥の声で目覚める。

これだよこれ~♪

私を家に閉じこもらせないために

「俺が仕事にいってる間に、この近くにGrape Vineっていう酒屋があるから

そこに行って何でもいいから買ってこい」

とKに課題を出してHは出勤していった。

英語が喋れないと引きこもりがちになる、引きこもっていた、

という話を聞いていたので、そうならないために、

困難から逃げる傾向にある、いや困難に立ち向かわないKを心配して課題を与えたのだ。

そうそう、最初が肝心!!!

昨日の出来事(Part1、Part2参照)で、恐いものがなくなりかけていた私は

やってやろーじゃないの!!くらいの気持ちだった。

お昼、11時になる頃、子供3人をつれカンカン照りのなか歩いてアパートを出発した。

車は通るが、人が歩いていない…

途中横断歩道が1箇所あるのだが歩行者用の信号は壊れていて点灯していない。

3人を連れてドキドキしながら3車線分を走って渡り切った。

なんてところだ…

軽く後悔しながら、そして相当不安になりながら、さらに歩く、歩く…

歩き続けること約15分。

『Grape Vine』の看板がやっと見えてくる。

全然近くないし!! Hの嘘つき!!

この時点でまだ歩いている人と誰ともすれ違わない…

やっぱり歩くと危険なんだ…きっと治安上みんな車で移動するんだ…

もう誰かに狙われている気分です。

子供は私が守ってあげなきゃ…なんて考えながら、Grape Vineに到着し店内に入ると、

こぎれいだし明るいしちょっとホッとした。

が・・・・

店内の隅には酔っぱらって座り込み話し込んでるオヤジ集団。

隣には震える手で1ドル札を握りしめ缶ビール1本だけを買いに来ている女の人。

またみんなフレンドリーな国民性を発揮して私たち親子に話しかけてくる。

昼間っからお酒のニオイをぷんぷんさせて私たちに皆近づいてくる。

この時は周りの人がみんな殺人犯に見えた。

コワイよー!! こんな課題だしやがって…Hのバカヤロー!!!

とにかく一刻も早くこの場を逃げ出さなきゃ…

目的の、小さいほうの牛乳(といっても1/2ガロン、約1.8リットル!!)、

子供達にチョコレートミルクを1本づつ(といっても1本1リットル近く…)を買い、

5キロ近い荷物と一番下の子を抱え足早に店を立ち去った。

もちろん帰り道も誰ともすれ違わず。

無事に部屋に戻ってこれました。

後日、Aさんに聞いた所、「歩いていける範囲にお店がないからみんな歩いてでかけないんですよ」と。

歩く人がいないから、歩行者用信号も修理されない(数週間後には修理されていました)。

そう、ここはとても治安のいいところでみんな親切。

まわりのみんなが殺人犯に見えたなんて…

失礼なことを思ってゴメンなさい。

この出来事で、もともと強いKがさらに強く、そしてもうひとまわり大きくなってしまいました。