収入は年金だけで、物価はどんどん上がるが、年金は増えない。

食費を切り詰め、雑費をカットしても預金の底が見えてきた。

もう、にっちもさっちもいかない状態だよ…

これほどではないが、そろそろ、「にっちもさっちも」いかなくなりそうだね。

この、行き詰まってどうすることもできない、身動きがとれないという時に使われる「にっちもさっちも」という言葉は、よく耳にするよね。

「にっちもさっちも」は、ルイ・アームストロングとは全く無関係で、算盤（そろばん）用語が基になっているんだね。

漢字に直すと「二進も三進も」となる。

「二進」とは2 つずつ進むこと、「三進」とは3つずつ進むことで、両方とも割り切れる場合は簡単に計算ができる、という意味なんだそうな。

つまり、「にっちもさっちもいかない」というのは、2でも3でも割り切れず、計算が合わないということなんだよ。

だから、お金を計算する時に、「どう計算しても勘定が合わない」という意味で「にっちもさっちもいかない」と言っていたんだね。

これが算盤だけでなく、「どうにもならない」ことを一般的に言うようになったんだよ。

「にっちもさっちも」と同じように、算盤から来た言葉に「御破算」があるね。

算盤を完全に元の状態に戻す際に、

「御破算で願いましては・・・」

と声をかけ、続いて

「10円なり、35円なり、69円なり、・・・・、34円では」

てな調子に読み上げる。

今でもやっているのかな？