プレイバック・和佳音 16
2014・9・28~愛媛・松山市~
お月見ライブから一夜明けても、浴衣姿の和佳音が頭にこびりついていた。それまで、かわいらしいというイメージだったのに、急に大人びた姿になっていて、びっくりしたからかもしれない。たかがアイドル、されどアイドル。テレビや写真の向こう側にいるという遠い存在ではなく、すぐに会いにいける身近な存在ということも大きいのかもしれない。仕事中も、和佳音のことを考えている自分がいた。「ひだまり100%」が頭の中で何度も何度もリピートしている。どうすれば、この状況から逃れられるのだろうか…。そんな悩める時間がしばらく続いた。
アイドルに夢中になるはずがない。たまにテレビで観るだけで十分だと考えていた。でも、その意思に反して、気がつけばAiCuneにハマっていた。ライブの写真を撮れるということをきっかけに、会場に足を運ぶようになった。シャッターを切れるだけで満足していたはずなのに、いつの間にかAiCuneのファンになっていた。そして、和佳音という1人の女の子に会いに行きたいと思っている自分がいた。会社の同僚にはひた隠しにしていたが、ブログで書いたことをきっかけに「アイドル好き」と思われるようになった。最初は否定していたが、ウソをつくのもしんどくなった。まあ、ひとつの趣味ができたということだ。
休日の日曜日、松山キティホールに来ていた。定期公演だが「りっちゃん生誕祭!」のサブタイトルがついていた。ちょうど、この日がサブリーダー・加賀山梨紗の誕生日だった。いつもとは違った内容のライブを観られるのだろうなあ。楽しみだ。物販コーナーには、りっちゃんの生誕祭を記念しての黒地のTシャツが並んでいた。そして、りっちゃんのファンであろう人たちがそのTシャツを着ていた。背中にはイメージカラーの緑の「15」の数字。すぐには分からなかったが、15歳の「15」だった。勘違いしていた。てっきり、りっちゃんは和佳音と同じ16歳になったんだと思っていたからだ。そうかあ、まだ中学生だったんだ…。またひとつ、AiCuneのことを学んだ。
開始時間になり、会場が暗転。ステージにメンバーが現れ、それぞれの定位置についた。暗闇の中でも分かる。いつもの白Tシャツにパニエではなかった。最初の曲「ひだまり100%」のイントロが流れる。ライトを浴びたメンバー全員が、生誕Tシャツと黒のパニエを着ていた。なるほど~。こうやって盛り上げるわけね。生誕祭を観るのは初めてだったけど、いつもとはどこか違った雰囲気だってことは肌で感じることができた。主役のりっちゃんやほかのメンバーもそうだけど、和佳音はいつも以上に張り切っているように見えた。左腰のところにつけている白い花のようなものはおしゃれのひとつなのかな?
「恋愛エネルギー保存の法則」「恋愛カリキュラム」と3曲を歌い終えた後のMC。メンバーそれぞれがりっちゃん生誕祭に絡めた自己紹介をした。りっちゃんの時には「おめでとう!」というお祝いの声があちこちから飛んだ。「本日の主役」はとてもうれしそうだった。和佳音は「きょうは梨紗の15歳の誕生日です。大いに盛り上がって、楽しい時間にしましょう!」とファンに呼びかけた。なんだか、少し照れくさそうに話していたのが印象的だった。目を細め、うれしそうな笑顔。ファインダー越しでも、この時間をめいいっぱい楽しもうという彼女の気持ちがグッと伝わてきて、なんだかうれしかった。