パリ祭のドレスの想い出、ジュリアヌスさん

2015年の写真です。


人との出逢いと別れ ジュリアヌスさん

とても辛い、とてもさびしい。
人は、素晴らしい人と出逢う。
なのに無常にも 人生が
その方との別れの時を用意する。

その方との出逢いは、確か1992年頃だったと思われる。

私が新宿シャンパーニュで木曜日のレギュラー
歌手だった頃。
毎月1度、一人で来店されるお客様がおられた。話しをして、その方は、私と同郷の
倉敷の方で、東京にもアトリエとお店をお持ちでその帰りに、大好きなシャンソンを聞かれておられることがわかった。

とても意気投合した時から、東京のライブや、1994年頃から始まった倉敷パリ祭(後に岡山パリ祭となる)から、2019年岡山パリ祭まで、ずっとずっと長きに渡って応援をして下さった。
花房さんとおっしゃる。

花房さんは、デザイナーで、洋装店のオーナーでおられた。ヨーロッパの美術にも見識の高い方で、洋装店には、私が見たこともないようなフランスやイタリア直輸入の美しい布地がたくさんあった。そして、花房さんからは、たくさんの励ましのカードをいただいた。全部が外国のカードだった。

下のドレスは、私のドレスの中で最も大事に
している衣装。
薄いクリームベージュのジョーゼットの生地
にゴールド、ピンク、グリーン等のスパンコールが布地全体に散りばめられている。

花房さんがデザインして下さり、奥様が縫製して下さった。2015年の岡山パリ祭でこの衣装をはじめて着させていただいた。





花房さんは、私にこのように言って下さった。私が創作したドレスが、岡山のパリ祭のシンフォニーホールの舞台で着ていただくことができるなんて、どんなに嬉しいことかわかりますか。
2015年岡山パリ祭、京都アバンティホール、岡山天神山文化ホール、また2018年の岡山パリ祭「ある愛の詩」を歌わせていただいた折もこの衣装が一番歌に合っていたので、この衣装を着させていただいた。残念ながら、写真では伝わらないけれど、こんな美しいドレスは見たことがないと歌手仲間の友人が褒めてくれた。

心からパリ祭をシャンソンを愛しておられる方だった。敬虔なクリスチャンであられた。
どんなに感謝の意を表しても足りない。
12月24日、93歳でこの世を旅立たれました。本当に本当にありがとうございました。
ジュリアヌス花房 弘さんの魂、永遠なれ!