『いま、ここで輝く。』
~超進学校を飛び出したカリスマ教師「イモニイ」と奇跡の教室
著:おおたとしまさ
年末に、この本を読みました。
この本は、鎌倉にある進学校「栄光学園」の数学教師、井本陽久先生(通称「イモニイ」)の教育理念や実践について書かれたルポタージュです。
今、息子の中学受験の勉強を見ているのですが、本人のやる気が今ひとつで、すぐ勉強から逃げ出したり、そんな様子につい私も怒ってしまったりする。もっと楽しく勉強できないものかと、ヒントを得たいと思って手に取りました。
イモニイの授業は、まさに型破りです。教科書を使わず、ノートも取らせない。一方的に教師が教えることもなく、子供たちは目の前の数学の問題に、目を輝かせて向き合い、互いに意見を交わし、考え、学んでいく。宿題プリントはやりたい人だけが自主的に取って帰ってやる方式で、子供たちは、まるでゲームのように自らプリントに挑む。数年前に、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも取り上げられたので、ご存じの方も多いかもしれません。
心に刺さった言葉を、いくつか引用させてください。(要約しています)
「世の中の変化にどうやって子供たちを対応させるかと考えがちだが、子供たちが未来をつくるのであって、教育の役割は、子供たちに未来をつくる力を携えさせること。未来に怯えさせることではない。」
「"この子をなんとかしよう"、"僕は彼に責任がある"というエゴで、僕は彼にお小言ばかり言う存在になっていた。」
「教えたことは身につかない。考えさせないと身に付かない。範囲を終えるために駆け足になって、一番重要な考える時間を削ると絶対に身に付かない。「理解させられたか」よりも「考えているか」を気にしたほうがいい。」
「自分がイラッとしてしまうのは、そこに自分の中にもある弱さを見出しているから。その子の中にある未熟な部分、弱い部分を認めてあげることは、自分自身の中にも同じくある部分を認めること」
-----
イモニイは、子供のことをリスペクトしていました。子供が持つ"伸びる力"を信じ切っていて、そこに自分が手を加えて何とかしてやろうなんていう発想がありませんでした。子供の可能性を大人が「育てる」のではなく、その力を信じ、委ねるということ。その先に広がる未来は、きっと大人の予測を超えたものになるはずだと。
我が子がこの先どんなふうに伸びていくのかを、楽しみに思えるような一冊でした。

