昨年の7月の思い出



父はすでに 末期がんで 食事も採ることもできなくなり


身体を動かすこともままなくなり


痛みに24時間苦しんでいたときのこと


病室で たまに 私に声を掛けると



「頭が落ち着かないので枕を動かして欲しい」



実際 最後の方は それだけ あと手を握ったり 目を見つめるくらい だったのですが


私が 枕を 動かすと どうにも 心地がよくないらしく


「違う 違う」

 

と いうように機嫌をそこね 辛そうな表情をしました



そこに 母が訪れると また 父は母に頼みます


ちょいちょい 


「こうか?これでええ?」 と 直すと 


一発OK



ホスピスの看護師さんがやっても 父の姉が やっても 駄目で


母しか 父は 納得しませんでした


「お母さんしか あかんのやな」と 


母は 得意顔でした




先日 東野圭吾の「白夜行」のドラマ版の 再放送を 何気に見ていて


小学生の 雪穂が主人公の亮司 と 町を歩いていると 


年老いた でも 仲良く手をつないで 歩いてすれ違う 老夫婦 を見て


「ああいう 夫婦っていいよね」 と つぶやくシーンをみて


ちょっと 思い出してしまいました



そういう 夫婦に なるのは まだまだ


子は鎹 のことわざに 助けられたりしているような 状況ですが


いつか父と母のようになれるように なれますように ならないといけないよ と


父が最後に私に教えてくれたのかな と たまに思い出します



補足 「あんた お父さんとお母さんが離婚したら どっちについてく?」 と

私が今のムスメくらいのとき さんざん 聞かれましたけどね☆