- フジコ・ヘミング 魂のピアニスト (新潮文庫)/フジコ ヘミング
- ¥500
- Amazon.co.jp
フジコさんのコンサートに行ったのはかれこれ2年前くらいでしょうか。
CDであっても、フジコさんの息遣いが伝わってくるような感じがしますが、
同じ空間で聞くことができ、信じられないような時間でした。
この本は、フジコさんの自伝的なもので、
フジコさんの絵日記が多く掲載されています。
ただの個人的な日記といえばそれまでですが、
日記でさえ、芸術になりえるんだなと、
その筆跡や絵をめくりめくりしているだけで心が躍ります。
「子供の頃から、日記はよく書いてきた。今はもうほとんど書かないけれど、
日記のほとんどが、楽しかったこと、うれしかったことでうめられている。
私が描いた絵や、その時々で撮った写真をハサミで切り取って、紙に貼っていく。
新聞や雑誌の切り抜きも、どんどんページに加えて、日記はいつの間にかマイブックになっていく。
悲しいことは忘れようとして書き残さなかった。楽しいことだけを書いてきた。
(中略)
手元の日記をパラパラと繰ってみたら、何だか大変だった日々が、
明るく楽しい思い出ばかりだったと思えるからうれしい。」
漫然とただ抜き書きの寄せ集めのような自分の日記も、
いつか懐かしく読み返す時が来るのだろう。