11月の寒い時期に
じーちゃん 逝っちまって

いや俺なんも出来て無かったぞ?

一番古い記憶は針中野のニチイの二階でうどん屋やってて
そこで昼過ぎにキツネうどんを食べたこと

口下手で俺は苦手だった思い出だが
じーちゃんのが扱いに困ってたんやなと今は思える。

二人で一眼レフ持って六甲いったり
近所の桜撮りにいったり

思い出は出るばかり

むしろ鮮明に。


死んだって聞いたとき

涙は流さないと決めた。

俺のじーちゃんだが
俺より悲しんでる
ばーちゃんや
おかん


じーちゃんはそもそも若い頃家族を置いてアメリカに料理修行だかで出て行った人だった

罪だとは言わないが不幸にさせた人なんだろうが

夫 父親 というのは無条件の愛を与える家族に違いないんだろう


じーちゃんに何にもしてやれなかったなー

何も望まなかったし

与えることもできなかった


あなたができなかった
今生きる人を幸せにするから

情けない孫を見守っててな

東京と大阪

この距離は偉大で

生まれ学生だった大阪

望み社会人として今居る東京


久しぶりの大阪の空気は不思議

東京で吸っていた一箱のタバコはゼロ本になった


きっと東京に戻ると
もとの生活になるんだろう

希望に満ち溢れた少年と
世の中の柵に疲れきった大人

この大阪東京間の新幹線のなかでジワジワと形を変えるのだろうか

鏡に映った自分の顔が楽しみだ
どれだけ困らせたろう
どんなに悲しませたろう

幸せになるために
君は僕の前から去った

知らせがないことが
いい知らせというし

きっと今は幸せに満ち溢れているんだろう

知ることはできないけれど
祈っているよ

これからを幸せに



どれだけ寂しかったろう
どんなに辛かったろう

君が選んだ道は正しくて
あのときの僕には
君を支えきる力はなかった

きっと今だってそう

絶対に幸せにしてやるって約束

結局破ることになったね

でも一番重要で気がかりだったのは
本当に幸せだったかってことなんだ

僕は幸せでした

君はどうでしたか?


君が居なくなってから時が経ち

悲しみと苦しみと寂しさは大きくなりました

でも君が選んだ道は
正しい道です

きっと忘れてしまっているだろうけど
そのほうがいい

僕の感謝の気持ちは
純粋じゃなく
錆びて使い古したブリキのオモチャのように

今では必要のないもの

僕の胸にしまっておくから

悪い知らせが聞こえないように

幸せになってください


最後に言えなかった
ごめんねと

ありがとう