先行うP
ぷりきゅあ亡命を前に、正式うPにゃん
私のような旧児童福祉法の養護施設時代ではなく、現在の児童養護施設出身者である田中れいかさんの著書です。
私は思うところあって楽天ブックスで購入しましたが、アマゾンの頁を御紹介します。
かなり厳しいレビューもありますが、そのレビューのほうもぜひ、お読みいただきたい。
そちらのレビューでは、児童相談所や児童養護施設のデタラメなどなどを隠蔽し、あたかも「地上の楽園」であるかのように述べる本書はその手合いのための「プロパガンダ」であるという指摘をされている。
確かにその要素が感じられないわけではないが、実際の著者にせよ、出版社にせよ、そのような意図で本書を出版しているとは思われない。
まあ、それゆえに性質が悪くなったときの危険性はあるが、ここではおいておく。
さて、その点についてはともかくとして、本書について私の思料するところを述べて参る。
まず、著者は小中学校や児童養護施設などへの「寄贈」を行っている。
これは、彼女の業務という視点に鑑みるに、戦略的価値のある手法である。
何と言っても本書の内容は、児童養護施設の日常を、彼女の経験を踏まえた上で語っているところである。
実際、児童養護施設のある地域(学区)の住人においては、かつての「養護施設(さらには孤児院)」時代のイメージがある人もいれば(特に年配者)、少年院か何かのような者と思っている人、特に何とも思っていない人、などなど、さまざまな人たちがいる。
そういった人たちに、現在の児童養護施設というのが等身大でどのような場所であるかを認識してもらうには、非常に優れたテキストとして仕上がっている。
本書を寄贈した先で小中学生や教職員、さらには地元の人が本書を知ることにより、児童養護施設という場所がおおむねどのような場所で、どのような「日常」が行われているのかということを認識してもらえる可能性が高まる。
そうすることで、児童養護施設における異常な出来事などを第三者として察知することも可能となり、外部の目から、施設内虐待などを未然に防ぐ可能性が生まれる余地もあると考えられます。
軍隊にしても、戦時ではなく平時の基地内の日常は、業務上のことを除けば、ごくごく普通なもの。児童養護施設という場所も、一見特殊な環境で確かに特殊な側面も少なからずあるが、日常なんていうのは、やっぱり、ごくごく普通なものなのです。
ただ、施設内虐待とか、児童相談所の措置に対する問題点がこの世界にあるという記述は、基本的に本書にはありません。
実は彼女の経験というのも、かのレビュアー氏が述べるところの「わずかな成功例を針小棒大に広告して正当化を図る、これまでの常とう手段」となりかねない要素を持った事例であるという側面もありますからね。
~ 実は私の例も、先に述べた要素のあるエピソードとして使われ得る側面のあるものですからね。まして、30年以上前の児童福祉、それも、東京ではなく地方都市での話ですから、なおのことです。
さらにこの手の世界がどのようなものか、どんな問題点があるのか、そういったことについては、他の厳しいレビューや他書をはじめ、ネット情報によってまずは手掛かりをつかめる。
そんな時代であるからこそ、このようなテキストは必要であると、私は思う次第である。
注:著者の過ごした児童養護施設「福音寮」における、彼女の経験した個々の体験については、ここでは論評しません。
その状況の前後がどうであったのかを検証したわけでもないし、また、私がいくら「養護施設出身者」であるからと言っても、時代も違えば地域も性別も年齢も大きく違う彼女に対して、先輩面とも評論家面ともつかぬ態度で論評などする資格は一切ありませんから。
~ 将来彼女にお会いする機会でもあれば、そのときご本人の前では、何なり申し上げるかもしれません。
ですが、今の段階で、ここで述べることではありません。
追記 彼女はサンデーモーニングに先日出演されたそうですが、原稿棒読みで云々、まあこれはかの番組に対するいわゆる「右寄り」の人たちの批判と同じ局面からの意見も散見されますが、これはまあ、最初素人同然でテレビのそれも生放送なんかに出たら、誰でも、そうなるよ。
そこは、彼女のこれからの精進です。
激励の喝!を、裏番組のプリキュア御意見番・二代目喝御大として、差し上げて拙稿の締めといたします。