甘木市には電車と汽車の終着駅がある、発着駅でもあるが、終着駅のほうが、ロマンを感じる
子供時代、ほとんど毎日甘木川へ遊びに行っていた、
道路の舗装がほとんど無く、4キロ程の道を裸足で歩くのが好きだった
途中に電車と汽車の駅が隣接してある
汽車の駅は、広い操車場があり「カベチョロ」(トカゲの方言)や、イナゴにバッタ、キリギリスなど
虫達の宝庫でもあった、
線路伝いに道があるが、枕木を踏みながら、時には線路を歩んで、川へ行った
川では汽車と電車の鉄橋はかなり離れたが、その間が、子供の格好の遊び場であった
汽車の鉄橋はさほど危険はない、途中に待避所があり枕木の間には石が敷き詰められていた
電車は別である、枕木と枕木の間には何もないし、待避所もない
此所を度胸試しに渡るのだが、渡るためには手順があった
線路に耳を当て電車の音を聞く、なれると電車との距離感が解る
汽車の線路を渡り、度胸をつける
次は枕木にぶら下がって川へ飛降りる練習、避難のための大切で欠かせない練習だ
これをマスターしても、下が丸見えの電車の鉄橋渡りは怖かった
やれなければ、弱虫あっかいとなり、仲間はずれにされる、みんな必死で練習した
しかし段々と遊びがエスカレートして、電車が来ているのに渡り始め
わざと、「枕木」にぶら下がって飛降りる者が出てきた、
ある時、転校生で外科医の子供が仲間になった、
弱虫と言われたくなかったのか、止めるのも聞かず、いきなり
電車の線路を渡り始めた、そこえ電車が来た
見よう見まねでぶら下がったが、「線路」にぶら下がっている
本人は電車をやり過ごした後、上がれる自信があったと聞いた
川の中から全員で降りろ降りろと、声をかけたが、練習していないから、怖くて降りれない
其処へ電車が通過した、本人は指八本が無くなり、落下
すぐさま、大人が父親の外科医の元に運んだが、一目見るなり、
自分には手術出来ないと座り込んだそうだ
もちろん鉄橋渡りは全面禁止、とばっちりから操車場への立ち入りも禁止となった
痛みの伴う、ほろ苦くも、悲しい想い出である。