真珠湾攻撃のほぼ半月前に私は誕生した。
ものごころ付く頃は、食糧難時代であり、「かあちゃんお腹すいた~」が口癖だったようだ。
防空壕の中でよく聞かされた歌がある。
「お前たちが大きくなったら、帰省の時この歌を歌え」と言われた。
明治唱歌の「夢の外」と言う題名だったようだ。メロディーは「真白き富士の根」と後でわかった。
歌詞は
1,昔の我が宿、変わらぬ故郷、夢の外に今日ぞ会える。
ひぐらし秋呼ぶ、榎木の木陰に、親の笑顔を見んがために
2,雲間に眺めし、昔の我が宿、夢の外に、今日ぞ会える
富貴をを望まず、名誉を願わず、神の恵みの長く遠く
3,木の間に眺めし、昔の我が宿、月も星も袖になれて
嬉しさ勝りて寝られぬ枕辺、響く水の音、声も楽し