私は自宅に残る茶ノ木を中心に野
生の茶葉で緑茶や紅茶を作ってい
ます。それなりの手間もかかるのに
何故そうまでして手作りにこだわる
のかですが、単においしいお茶を
自分で作ってみたいという好奇心が
大部分なのは確かなのですが、そ
れと同じくらい大きい動機はお茶が
持つ効能や健康効果に関心が強い
からです。お茶は奈良時代に中国か
ら最初は効能の高い薬として渡来
しました。古くは三国志に若いころの
劉備が病気の母親のために家宝の
宝剣を手放し薬としてのお茶と交換
するという場面が描かれています。
このようにお茶は古代において貴重
で高価な飲み物でした。それが現在
ではペットボトルで100円台で手軽に
買える時代です。また現在はカテキン
などその成分の健康効果が研究され
健康茶としての根拠も証明されつつあ
ります。今やコーヒーと並んで世界で
もっとも飲用される飲み物で今や大変
おいしい緑茶や紅茶が手軽に買える時
代です。にもかかわらず私が野生の茶
葉で手作りの製茶にこだわるのは数年
前にソニー研究所の舩橋正俊博士と
大田耕作博士の共同論文を読んだか
らです。お二人は同一場所で同一種の
茶ノ木で片方は施肥を含む慣行農法で
育てもう片方は無施肥無農薬無潅水の
野生状態で育った茶葉の比較研究を行
い野生状態のものの方が各種の二次代
謝成分の量や種類が明らかに多いとい
うことをが証明された論文として発表さ
れました。それで私は今もほぼ毎日、野
草茶や野生茶葉のお茶を愛飲していま
す。
以下に論文のURLを張り付けておきますので
AI和訳なのでところどころ日本語としておかしな
部分がありますが読みやすい方です。専門用語
も多くて長大な論文なので大変かもしれませんが
関心のある方はチャレンジしてみてください。
当該論文では2014年から2019年に渡る協生農法産と慣行農法産の番茶のメタボロームデータを取得し、統計解析とパブリックデータベースを用いて分析、両者の特徴を明らかにしています。両生産方法がメタボロームに与える影響の違いを6年間に渡るデータで継続的に解析し、初めて再現性を示しました。
農業 2020、10 (12)、632; 2" target="_blank">https://doi.org/10.3390/agriculture10120632
受信日: 2020 年 10 月 31 日 / 改訂日: 2020 年 12 月 9 日 / 受理日: 2020 年 12 月 11 日 / 公開日: 2020 年 12 月 14 日
(この記事は、植物と微生物の相互作用における二次代謝物 特集号に属します)