今、東谷地区の各町内の史跡や文化
財などを探訪しながら散策する会を
検討中でその一環として原口九右衛門
さんの顕彰碑に刻まれている辞世の
句について調べてみると今わかって
いるだけで三つの辞世の句が残され
ています。それぞれが掲載されている
二次資料なのでその関連性は現在不
明です。原口九右衛門さんに詳しい井手
浦のUY氏なら何かご存知かもしれま
せんが現在ご事情で直接お話が伺え
ないのが残念です。三つとはその一番
目が興農会敷地にある顕彰碑に刻ま
れた①と、かつて東谷中学校生徒たち
が企救一揆と原口九右衛門さんについて
調べて作った紙芝居の中で紹介されて
いる②と、40年近く前に昔語りの会同
人の方が開かれていた市民歴史講座の
資料にある③の、三種類があります。
私の推論では原口九右衛門さんが死罪に
なるまで拘留された日田で詠まれたいく
つかのうたの中のものではないかと思っ
ています。
いずれも原口九右衛門さんの当時の心情
が垣間見られ思わず背筋が伸びるよう
な心打たれる歌です。
①「生きて牡丹と云われんよりも散りて桜の名をや残さむ」興農会顕彰碑碑文より
②「あたしよの みはみちしはの あたしはな ちりてむすはん」
「化野の(アダシノノ)身は道しわの 仇ち花 散りて結ばん」(西田意訳)
H17年度東谷中学校一年生作成の切り絵の紙芝居をR2年資料館委員により製本したものより
③「春風のふけば のどけく咲き出でて ちりても匂う山さくらかな」
昭和36年3月14日企救郡農民一揆90年記念慰霊祭資料より
①の興農会の顕彰碑の碑文と辞世の句です
②の紙芝居で取り上げられている辞世です
③の市民講座で使われた資料の一節です。